近刊:尾上圭介『文法と意味 II』くろしお出版
2003年6月刊行予定でしたが、12年の時を経てようやく刊行されるとのこと。
東京言語研究所 春季講座に登壇した尾上圭介先生の「日本語意味論」のハンドアウトに「近刊」と記載されてました。
新しい「タ」の発見
「婉曲化による配慮のタ」というのもあるのですね。ふむふむ。
バイト先で、客に「ありがとうございました」と挨拶したら、店長にこっぴどく叱られた、という類いの話をよく聞く。タを使ってしまうと、その時限りで、過去の関係となり、縁が切れてしまうから「ありがとうございます」と言え、ということのようである。
いえ、このタは、過去ではなく婉曲化による配慮の表現です、などと授業で教わったとおりに、真っ向から反論して、居心地を悪くしてしまうような学生はいない(まあ、いたらいたで、かなり鬱陶しいだろうけれどネ)。不承不承、言い直しているらしい。
タ=過去という思い込みが、語用論レベルにまで影響を与えているのである。
はんざわかんいち(2015)ことばのことばかり13 ありがタめいわく、日本語学 2015年4月号: 45
『行動生物学辞典』東京化学同人
これは通読したい。
『行動生物学辞典』上田恵介・岡ノ谷一夫・菊水健史・坂上貴之・辻 和希・友永雅己・中島定彦・長谷川寿一・松島俊也編、東京化学同人
▼―動物行動学・心理学から神経行動学・獣医学まで,関連領域を広くカバーする初の本格的辞典
http://amzn.to/1aAkQvU
▼長谷川寿一氏曰く、「行動生物学からは,ミクロ(分子生物学)にもマクロ(地球生態系)にも,過去(進化)にも未来(予測)にも,たとえば昆虫にもヒトにも,生物学にも心理学にも入れます.諸学の交差点,行動生物学へようこそ」
▼刊行の趣旨から:行動生物学という分野名は,ずっと昔からあるようで,実はごく最近になってはっきり姿を現してきた概念です.日本学術会議が新しい体制になって,行動生物学分科会がつくられました.そこには行動生態学,進化心理学,ニューロエソロジー,動物心理学,応用行動学など,どこかで互いに接点をもちながらも,独自の研究分野を築き,活動してきたメンバーが集まりました.そのメンバーの有志の間で,動物の行動から人の心まで,分子から生態までを生物学の言葉で統一的にとらえることが必要との話が出ました.その方法の一つとして,行動生物学を1冊で学べるような,隣接する領域すべてのプラットホームになるような,これまでにない辞典を企画しました.
(総見出し語数4500/欧文索引・生物名索引・人名索引完備/イラスト多数/付録:さまざまな動物の脳神経系図譜,行動生物学歴史年表,関連動画一覧)
内容見本は、版元サイトをご参照。
●行動生物学辞典 - 株式会社東京化学同人
http://www.tkd-pbl.com/book/b146232.html
【近刊】日本語文法辞典 2013-09版
予定よりかなり遅れているようですが、そろそろお目見えのようです。まだ各社からアナウンスがないので、来年刊行ぐらいでしょうか。
- 『日本語文法事典』日本語文法学会 編、大修館書店、2013年刊行予定 ※以前は2010年に刊行予定だった…
- 『日本語学大事典』佐藤武義・前田富祺 編、朝倉書店,2013年刊行予定 ※以前は2007年12月に刊行予定だった…
- 『日本語学大辞典』日本語学会 編、東京堂出版、2013年刊行予定
【Update】2014-02-01 時点でのステータスは以下のとおり。
- 『日本語文法事典』日本語文法学会 編、大修館書店、2014年刊行予定
- 『日本語学大事典』佐藤武義・前田富祺 編、朝倉書店,2014年刊行予定
- 『日本語学大辞典』日本語学会 編、東京堂出版、2014年刊行予定
【Update】2014-04-22
- 日本語文法学会の『日本語文法事典』は、3月末校了、連休明け刊行が予定されていたが、遅れている模様。
- 日本語学会の『日本語学大辞典』は、まだ編集中らしい。
【Update】2014-05-10 まず日本語文法学会のものから刊行。
- 『日本語文法事典』仁田義雄・尾上圭介 ほか編 A5 738頁 8000円 6月下旬 978-4-469-24586-8
【Update】2014-07-07 さらに遅れてましたが、ようやく刊行されました。
出版企画そのものは2002年頃に出ていたようなので、苦節13年を経て登場ですね。
7月3日、月刊『言語』のメールマガジン、第85号(2014.7.3)も配信され、大々的に告知。
ほかの大事典は今年出ることはないだろうなぁ…。
- 『日本語文法事典』日本語文法学会 編、仁田義雄・尾上圭介・ 影山太郎・鈴木泰・村木新次郎・杉本武 編集、大修館書店 A5 762頁 本体 8000円 7月3日か4日に配本 978-4-469-24586-8
【Update】2015-05-12 残るは日本語学会の『日本語学大辞典』ですが、寄稿者の一人から、まだゲラは送られてきていないという情報があり、今年の刊行は絶望的と思われます。東京堂出版にも告知なし。(同辞典は、国語学会『国語学大辞典』1980年の後継となる。)
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【新刊・刊行開始】『日本語文法事典』日本語文法学会 編、大修館書店▼日本語文法研究の成果を結集。重要事項514項目を50音順に配列し、第一線の研究者たちが解説。http://amzn.to/1kxuBf5 頁見本および項目一覧はこちら>http://bit.ly/1ozM1wV
【Update】2014-10-10 朝倉書店の事典は『日本語学大事典』から「学」が取れて『日本語大事典』となったようです。さらに2分冊に。
ほんやく互学会 勉強会 2013
《日本語の曖昧さと英語の曖昧さは異なる》
昨日は、ほんやく互学会 勉強会で日本語ライティングについて話しました。ほんやく互学会はクローズドなサークルなので参加者は30名ほど(それでも会場は一杯)。柴田耕太郎先生の前座ということで少々緊張。
自分が話した内容は、日本語ライティングというよりは、翻訳を受け取った編集サイドで何が行われているか、翻訳者サイドでは何に気をつけるとよいかについての解説。さまざまな分野・スキルの方がいるのでどの方にも「これは参考になった!」と思ってもらえるよう、いろいろと採取。幸い、皆さんからも「そこを知りたかった」という感想を頂戴したりと嬉しいかぎりでありました。
柴田耕太郎先生の講義は、きちんと英文解読を行う方法、その実際について、ヘミングウェイの文章、外交がらみの公的文書、不動産契約書などをもとに解説。非常に参考になった。細かい言い回しは違ったと思いますが、以下のような内容でした。
並列表現に関して、英語は非常にゆるくルーズだが日本語は厳密。日本語では種類の異なるものは並列できない。英語では抽象・具象を平気で並列する。
「〜 and 分詞構文や修飾節が続く」というときに、and 以降のものが前にかかるのか、付加しているのか曖昧なことがある。この場合、文脈でしか判断できない。それどころか、"わざと" 曖昧にしていることもある(不動産契約書)。
andについては、大きく次の6つに分類している。これらを区別できるようみっちり訓練すれば、読解力が格段に増すはず。
and の役割:
対等「また」
ゆるい順接「そして」
きつい順接「それで」
前節の帰結「だから」
逆接「なのに」
付加「それも」
● ほんやく互学会 勉強会 2013 日時:2013年 5月18日(土)午後2時〜 場所:東京外国語大学本郷サテライト 4階セミナー室 【第1部】午後2時〜3時15分 川月現大氏:日本語ライティングセミナー 【第2部】午後3時30分〜午後5時 柴田耕太郎氏 終了後、打ち上げ(同じビルの8階)
●アイディ 柴田耕太郎 主宰『英文教室』: http://www.id-corp.co.jp/school/school.html
ちなみに上記勉強会でお話しした内容は、2013年1月に日本翻訳連盟(JTF)主催のセミナーでお話しした日本語ライティングに関する講義の続きを聞きたい、というリクエストに応えたもの。3〜4割ぐらいはかぶってますが拡張されてます。
■ JTF翻訳セミナー 「翻訳に活かすライティング手法」(通算第165回)
2013年1月10日(木)14:00 〜 16:40
http://www.jtf.jp/east_seminar/dvd.do?fn=search#dvd_56
第1部 リピートされる翻訳者になるための日本語ライティング (川月現大)
第2部 信頼される翻訳者になるための英文ライティング(中村哲三)
中村さんは『英文テクニカルライティング70の鉄則』(日経BP)著者。
英語論文におけるツイートの正しい引用のしかた[MLAスタイル] |エディテック
<デジタル時代に合わせてスタイルガイド(執筆要項)も変わるもの。まずはTwitterと電子書籍について補足されました>
以下のエントリーをITmediaオルタナティブ・ブログに書きました。
- 英語論文におけるツイートの正しい引用のしかた[MLAスタイル] |エディテック
http://blogs.itmedia.co.jp/editech/2012/03/mla-923a.html
英語論文の標準的なスタイルガイドの1つであるMLAに、ツイートと最近の電子書籍の正しい引用方法が紹介されていました。
● How do I cite a tweet?|MLA
http://www.mla.org/style/style_faq/mlastyle_cite_a_tweet
● How do I cite an e-book?|MLA
http://www.mla.org/style/style_faq/mlastyle_cite_an_ebook
MLA Handbook for Writers of Research Papers (Mla Handbook for Writers of Research Ppapers)
- 作者: Joseph Gibaldi
- 出版社/メーカー: Modern Language Assn of Amer
- 発売日: 2009/04/01
- メディア: ペーパーバック
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「Google+ページへの誘導に関するスタイルガイド」公開される |エディテック
<とりあえずWebデザイナー、UI担当のスマートフォン開発者の方は必読かと思われます。
Google+アイコンのEPSデータも公開されました。>
以下のエントリーをITmediaオルタナティブ・ブログに書きました。
- 「Google+ページへの誘導に関するスタイルガイド」公開される |エディテック
http://blogs.itmedia.co.jp/editech/2012/03/google-e8e8.html
原文のスタイルガイドは以下のもの。国内では、なぜかどのニュースサイトも取り上げておらず拙ブログにて紹介しました。この手のソーシャル系サービスは、デザインや仕様がすぐ変わるので困ったものです。きっと、1年も経たずにまたかわるのでしょうね。
出版業界関係者としては、Google+アイコンの "公式" 画像データ(AI形式)は貴重です(キャプチャを拡大すると粗くなってしまうので)。
● A Style Guide for Promoting your Google+ Page
https://developers.google.com/+/downloads/follow-style-guide.pdfhttp://plusfiledownloads.appspot.com/follow-style-guide.pdf