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『方法への挑戦 科学的創造と知のアナーキズム』(ファイアーベント)

たまたま目黒図書館で借りたファイアーベントの『方法への挑戦』が、新潮社の季刊誌「考える人」の2008年夏号 特集「自伝、評伝、日記を読もう」の「自伝・評伝を愉しむブックガイド」欄の「科学者」篇でも紹介されていた。ライターは、ウェブサイト「哲学の…

『書を読んで羊を失う』(鶴ヶ谷真一)

書名は『荘子』駢拇篇*1 にある「讀書亡羊」の故事*2 による。 なるほど、平凡社ライブラリに入るだけあって書痴な皆様向けの話、へ〜という話がたくさん。 和本に銀杏や朝顔の葉がたくさんはさんであるのは紙魚(シミ)防止のためであった(「枯葉」12ペー…

『集合知プログラミング』

これは面白そうだ。日本語形態素解析、利用したいなぁ。 from http://www.oreilly.co.jp/books/9784873113647/ 本書は現在注目を集めている「集合知(collective intelligence)」をテーマにした書籍です。機械学習のアルゴリズムと統計を使ってウェブのユー…

『環境のオントロジ−』(河野哲也、染谷昌義、齋藤暢人 編)

環境のオントロジー作者: 河野哲也,齋藤暢人,加地大介,柏端達也,三嶋博之,関博紀,溝口理一郎,染谷昌義,倉田剛出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (12件) を見る『環境のオントロジー』河…

『創造的破壊とは何か 日本産業の再挑戦』(今井賢一)

今井賢一先生の新刊。これは読みたい。創造的破壊とは何か 日本産業の再挑戦作者: 今井賢一出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2008/05/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (9件) を見るfrom 2008-05-09 - ウイズダム・ダ…

『社長のためのマキアヴェリズム』(鹿島茂)

MIZUNO'S SCAPE(水野誠一)http://www.miznos.com/scope_2003_11.html だが本論をよんでみると実に優れた危機管理の書であるのです。しかも近年になって経営コンサルタントの中にもマキャベリを研究する人がいることに気づきました。 そんな機運が高まって…

『盗作の文学史』(栗原裕一郎)

新曜社の新刊案内メルマガ(第83号)より。 へー、こんなものを書いていたのですね。 諸般の(大人の)事情で絶版になる前に買った方がいいですよ。 6月上旬発売予定 - 『盗作の文学史』 ――なぜ盗作事件は起きるのか(仮) - 栗原裕一郎 著 四六判上製480頁…

松田久一氏が推奨する2007年の良書15冊

JMR生活総合研究所の松田氏のコメント付き良書ガイド。 毎年恒例!代表松田が推奨する2007年の良書15冊 2007年テーマ「新しい知の挑戦」で4回連載 毎年恒例、代表松田が年末に実施している社員向けの研修プログラム「書評2007」の要約です。 http://www.jmr…

『感情とクオリアの謎』

長滝祥司、柴田正良、美濃正 編、昭和堂、2008/03 本体2500円 ISBN:9784812208083 ISBN:4812208084 感情とクオリアの謎作者: 柴田正良,美濃正,服部裕幸,月本洋,伊藤春樹,前野隆司,三浦俊彦,柏端達也,篠原成彦,長滝祥司出版社/メーカー: 昭和堂発売日: 2008/0…

『明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法』

これは面白かった。おすすめします。 高校生へアピールするなら携帯だ、というのは浅はかで、リアルな高校生はとあるファミレスに毎日通い、そこで多くのコミュニケーションをしているという。携帯で使うのはせいぜいメール。これは広告戦略を根底から崩され…

『贖罪(上・下)』(イアン・マキューアン)

贖罪〔上〕イアン・マキューアン著、小山太一 訳 新潮文庫 2008/02 現代の名匠による衝撃の結末は世界中の読者の感動を呼び、小説愛好家たちを唸らせた。究極のラブストーリーとして、現代文学の到達点として――。始まりは1935年、イギリス地方旧家。タリス家…

『バートルビーと仲間たち』

『バートルビーと仲間たち』エンリーケ・ビラ=マタス著、木村榮一・訳、新潮社 2008/02 ■ ソクラテス、ランボー、サリンジャー、ボルヘス、ピンチョン……。あらゆる時代に現れる、全く書かなくなる作家たち。「バートルビー」書けない症候群に陥った作家たち…

岡茂雄『本屋風情』中公文庫

所長に id:aquirax 教えてもらった本。こんなにおもしろい本がなぜ入手困難(絶版?)なのだろう。本屋風情 (中公文庫 M 212)作者: 岡茂雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1983/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る以下…

『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』

アルバイトの労働内容そのものは、まあフツーなのではという気がする。短期バイトの典型とでも言えばよいか。 本書を読むと、再販制が続く限り、敷地面積が小さく、仕入れ能力のない(目利き不在の)書店よりもアマゾンのほうに分があるということがわかる*1…

新刊・近刊 2007/12-2008/02

女と欲望 内田樹/著 角川書店 2008年2月13日(水) 760 女は何を欲望するか? (角川oneテーマ21)作者: 内田樹出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2008/03メディア: 新書購入: 1人 クリック: 34回この商品を含むブログ (39件) を見る 爆笑問題のニッポンの教養 生…

近代日本社会学史叢書 全10巻

近代日本社会学史叢書 全10巻、近代日本社会学史叢書編集委員会 編、龍溪書舎、本体23万円(税込241,500円) ISBN:9784844755258近代日本社会学史叢書 第1巻 復刻版 百学連環 西 周著・述 近代日本社会学史叢書 第2巻 復刻版 文明論之概略 上 福沢 諭吉著 …

『「つまらない」と言われない説明の技術』

●「つまらない」と言われない説明の技術(日経ビジネス人文庫)、飯田英明 著、2007/11このタイトルは「つまらない」のですが、中身はまっとうです。内容としては「プレゼン資料作成の基本」というもので、一回は目を通しておいたほうがいいでしょう。 なお…

『出版と社会』

『出版と社会』小尾俊人 著、幻戯書房、2007 ■ 講談社、改造社、新潮社、平凡社、文藝春秋、中央公論・・・・・・。敗戦の年、みすず書房を立ち上げた著者が、自らの同時代的経験をもとに綴る、激動した昭和出版史の記録と肉声。出版と社会作者: 小尾俊人出版社/メ…

『四次元主義の哲学 持続と時間の存在論』

『四次元主義の哲学 持続と時間の存在論』セオドア・サイダー著、中山康雄 監訳、春秋社、2007/10 3990円税込 ■ 形而上学の大問題「存在と時間の謎」に挑んだ米哲学会賞作*1。数々のパラドクスを解決し相対性理論とも整合する美しい哲学。四次元主義の哲学―…

『明六社』講談社学術文庫

『明六社』大久保利謙 著、講談社学術文庫、2007/10/10 ISBN:9784061598430 ■ 初の学術結社・啓蒙雑誌・演説会「明六社」研究の決定版 明治6年7月、森有礼の発案、西村茂樹らの尽力で、当代一流の洋学者たちが集まり、明六社が結成された。初の学術結社、初の…

『論理的構文論:哲学する方法』(カルナップ)

id:nuhsnuh:20070929 などで紹介されているのにオンライン書店にはなかった一冊。nuhsnuhさんが入手したのは生協での先行販売だったのではと思ふ。 『論理的構文論:哲学する方法』ルドルフ・カルナップ著、吉田謙二 訳、晃洋書房、2007/10 本体1200円 105ペ…

群衆論

『ネット群集の暴走と可能性』荻上チキ著、ちくま新書、2007/10/09 ISBN:9784480063915 ■ 今日も誰かが標的に! ブログ等で、ある人物への批判が殺到し、収拾不能になることがある。こうした「炎上」が生じる仕組みを明らかにし、その可能性を探る。ネット時…

BETWEEN YOU AND I: A LITTLE BOOK OF BAD ENGLISH (James Cochrane)

Between You and I: A Little Book of Bad English作者: James Cochrane,John Humphrys出版社/メーカー: Sourcebooks Inc発売日: 2005/03/30メディア: ハードカバー クリック: 19回この商品を含むブログ (2件) を見るfrom World Wide Words: Between You and…

The Stuff of Thought: Language as a Window into Human Nature(ピンカー)

TIMEにピンカーが一筆寄せていました。 >> Words Don't Mean What They Mean, By STEVEN PINKER, Thursday, Sep. 06, 2007, TIME http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1659772,00.htmlThe Stuff of Thought: Language as a Window into Human …

講談社2007年10月近刊

●講談社学術文庫 アルチュセール全哲学 今村仁司 10/10 ルネサンスの文学 -遍歴とパノラマ 清水孝純 10/10 言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの 丸山圭三郎 10/10 世界の法思想入門 千葉正士 10/10 明六社 大久保利謙 10/10 ●講談社メチエ 善悪は…

『至高体験の哲学』(コリン・ウィルソン)

『至高体験の哲学』コリン・ウィルソン著、松田和也 訳、学研、2007年10月26日 本体2200円 46 224ページ ■ 『アウトサイダー』でデビュー以来、一貫して「超人」を研究し続けてきたコリン・ウィルソンが出した最終結論。主にゲーテやニーチェなど20世紀ま…

『南方熊楠・萃点の思想―未来のパラダイム転換に向けて』

『南方熊楠―地球志向の比較学』(講談社学術文庫 528)と続けて読むとよい。南方の思想を、対立を徹底的に拒否して関連性を追求するもの、と位置付ける。それは、アリストテレス形式論理学(異質な点があるから別のもの)ではなく、古代論理(同質な点がある…

『輿論研究と世論調査』

『輿論研究と世論調査』岡田直之・佐藤卓己・西平重喜・宮武実知子 著、新曜社、2007年9月下旬 A5判上製240頁・本体3200円 ■ 「世論」は存在するか?◆ もともと「輿論」(よろん)はパブリック・オピニオン(公論)、「世論」(せろん)はポピュラー・センチ…

『認知言語学のための14章』

待望のテイラーの『認知言語学のための14章』の第3版が10月に刊行予定です。 『認知言語学のための14章 第三版』ジョン・R. テイラー著、辻幸夫[ほか]訳、紀伊国屋書店、2007/10 A5/448ページ 本体3800円 ISBN:9784314010320 ■ 認知科学と言語学の「結…

『フーコーの後で─統治性・セキュリティ・闘争』

『フーコーの後で─統治性・セキュリティ・闘争』芹沢 一也・高桑 和巳 編著、慶應義塾大学出版会、2007/09 四六判/並製/280頁 ISBN:9784766414042 本体2000円 ■ コレージュ・ド・フランス講義録を媒介に、1970年代後半のフーコーの問題系にフォーカス。こ…