著作者人格権

著作者人格権一身専属権といって,著作者その人の人格を保護することを目的とする権利だ。だから,他人に譲渡することはできない。たとえ契約で「著作者人格権を譲渡する」と明記してあったとしても効力はない。それで,委託先が著作者人格権を行使しないという条項を別途,契約に設けるわけだ。
著作者人格権には三つの権利がある。著作権法18条の「公表権」,19条の「氏名表示件」,20条の「同一性保持権」だ。公表権は,まだ公表されていない著作物を公衆に提供または提示する権利。氏名表示権は著作者が著作者名を著作物に表示する権利だ。
同一性保持権は,著作物の同一性を守るためのものだ。簡単に言うと著作物が著作者の意に反した改変を受けないものとする権利だ。著作者が著作者人格権を行使すると,開発したソフトウエアを勝手に公表したり,作者である自分の名前(または会社名)をソフトウエア内に表示しろと主張したり,勝手に改変するなと文句をつけたりすることが可能になってしまう。