『にほん語観察ノート』井上ひさし著 中公文庫

『読売新聞』日曜版連載を単行本化。〔以下、単行本 帯コピーより〕
人生の難局を切り抜け難問を乗り越える その力が「ことば」である
だいたいが「ことばの乱れ」について、わたしは楽観的な立場をとっています。日本語の辞書部分は「開かれた体系」、どんなことばが入ってこようと構わないし、それで日本語の根本が変わるわけでもない。一方、文法部分は「閉じられた体系」で、外国語が入り込むのはむずかしい。だからそんなに心配することはないと思っている。ただ、ここ二、三十年の間に、日本語の音声が大きく変わってきていることがふしぎでならないのです。