『ホエール・トーク』クリス・クラッチャー著(青山出版社)

金原 瑞人、西田 登訳、本体1,600円、46判 /285頁、2004.3、ISBN:4899980507
以下、「訳者あとがき」より一部。 from 金原瑞人オフィシャルホームページ

 圧倒的な力を持つ作品というものがある。今まで訳したヤングアダルト向けの本でいえば、『豚の死なない日』がその最も良い例だろう。読み終えたあと、一言も声がでないくらい心の揺さぶられる小説といってもいい。クリス・クラッチャーの『ホエール・トーク』も、まさにそんな一冊である。
 これまでずいぶんいろんな本を訳してきた。どれも好きだし、それぞれに思い入れがある。が、また、それぞれに向き不向きがある。ハードなファンタジーが好きな人に薦めたい本もあれば、一風変わったリアリズム小説が好きな人に薦めたい本も、エスニック文学の好きな人に薦めたい現代小説もある。
 しかし相手の好みなどきくまでもなく、とにかく読んでみてくれと突きつけたくなる本というのもごくまれにある。

【関連リンク】クリス・クラッチャーのオフィシャル・ホームページ