消費→物語消費→プロセス消費

from はてなダイアリー - エロ本編集者の憂鬱と希望 2004年5月21日

辰巳渚『なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか』(光文社)を読む。(中略)
この本は現在の消費のあり方について考察している。消費はいまや商品を買うのでもなく、情報やサービスを買うのでもなく、体験を買うという領域に入っているのではないかと筆者は考える。たとえばコーラのボトルキャップを買うのは、そのオマケが欲しいのではなく、「ボトルキャップつきのコーラを買った。こんなオマケが出てきた。なるほど」という体験だけを買っているのではないか。マトリックスリローデッドを観るのは、「今話題の『マトリックスリローデッド』を観た。やっぱりがっかりした」というがっかりした体験を買っている。六本木ヒルズに一回行ってみるのは、目新しいその場所に「いる」という体験を買っている。これを「プロセス消費」と筆者は名づけている。消費はいわば単純に商品を買うというところから、「物語消費」(by大塚英志)を経て、「プロセス消費」(by辰巳渚)になったということか。