『「みんな」のバカ! 無責任になる構造』仲正昌樹 著(光文社新書)

ISBN:4334032524

いくつかの「みんな」集団の間を渡り歩いている内に、どこからも、「あんた本当は向こうの人でしょう」と思われて、落ち着きどころを失っている「皆さん」は、現代の日本には意外と多いのではないだろうか。多分、こういう本を読んでいるのは、そうやって「みんな」に属することができなくなっている人だろう。「みんな」と「わたし」の関係を第三者的に見て、「みんなはわたしのことをどう思っているのか」と考えていること自体が、匿名になり切って「甘えの構造=無(限)責任の体系」の中にしっかり組み込まれている“みんな”とは相容れないのである。(本文より)
「仲良し」が突然「ウザく」なったのはなぜか? われわれが何気なく口にしている「みんな」というキーワードから現代社会の危機の本質を明確に描き出す。

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