社会経済学

from 「パブリック・フィロソフィの再構想─学問論的展望のために─」(山脇直司 著)

厚生経済学を含めた現代の主流派経済学(新古典派)が軽視している経済の公共社会的次元が浮き彫りにされうるだろう。もちろんこうした課題と取り組む社会経済学は、単に「べき」という規範レヴェルの言説に終わることができない。それは、現に経済がどう動いており、また社会政策がどう施行されているかについての醒めた分析、換言すれば「ある」のレヴェルでの実証的(ポジティヴ)な分析と、その規範の実現可能性(「できる」)の追求をも必要とする。この「べき」と「ある」と「できる」の三つのレヴェルでの研究が統合されて初めて、社会経済学は記述主義にも規範主義にも陥ることなく、新古典派の教科書に典型的にみられる実証経済学と規範経済学の悪しき二元論を打ち破って、人々にインパクトを与えることができるであろう(19)。

この程度の話は聞き飽きているかも。。。ほぼ同様の批判は、西部 邁が四半世紀以上前に書いた『ソシオ・エコノミックス』(中央公論新社、1975)で読んだ。『経済倫理学序説』(中央公論新社、1983)にも書いてあったかも。「実証経済学と規範経済学の悪しき二元論」という論の組み立て方というのはなんだかなぁ。。。
経済方面であれば、「応用倫理学講義」の『経済』(川本隆史編)を期待してます。
追記)あ、そうか。氏は「学問論的展望」を提出しているのだから、メタ学問論をコネコネするのはマッタク正しい姿であると。そういうことですね。リューメイ先生っ!