小説家とブログ

from id:yskszk:20040805#p2

■ 小説家とブログ
(中略)ライターがブログツールやブログサービスを利用している例は多いが、小説家となるとあまりない。同じ「物書き」といってもライターが「音大」的で、小説家が「美大」的であることに、その違いがあるのではないかと思う。ライターは編集部が要求するものをそつなつ仕上げることを重視し、小説家はアイディアや文体の独自性にこだわる。自分の書いたテクストに対して、リアルタイムで反応があるコメントやトラックバックという機能は、独自性を重んじる小説家にとっては「邪魔」な機能なのだろう。

たしかに、小説家がブログをやっているなんて聞いたことがない(日記っぽいのはあるだろうけど)*1。そもそも、作家がブログ(あるいはホームページ)を介して読者(あるいはオーディエンス)とつながる必要があるのかどうか。それは本当に個人的な問題というか、人それぞれなのではないかという気がする。語ることによって逆に失われてしまうことだってあると思う。作家にとって一番大事なものが。
「音大的/美大的」は yskszkさんの持論なんだけど、そういう風に簡単に切り分けられないんじゃないかなぁ。二元論はものごとの本質や違いを明確化するのに役立つけど、過度に強調しないほうがいいのでは(と偉そうに。すみません)。
あと、小説家にとってコメントやトラックバックといったレスポンスというのは、「邪魔」というか、そういうレスポンスを見ることによって作品が持つ「可能性」を狭めてしまうことを恐れるのではないだろうか、と想像しています(直接対話するのはいいんでしょうが)。

*1:ブログじゃないけど、唯一、思いつくのは村上龍メーリングリストJMM(JapanMailMedia)http://ryumurakami.jmm.co.jp/」は村上龍の作品にも影響を与えているでしょうね。