『日本的な、余りに日本的な:東京女子大学哲学科紛争の記録と分析』林道義 著(三一書房)

id:contractio:20040814#1092425143 で知った本(ISBN:4380922243)。特に読むつもりはなかったのだけれど、同日記のコメントで紹介されていたウェブページに「奇書の一種である」とあったので世田谷中央図書館でついでに借りてみた。斜め読みしてみましたが、そうですねぇ。普通の企業だったらよくある話って内容でした。乱暴にまとめてしまうと、(傍目から見れば)足の引っ張り合いとでも言えばいいでしょうか。舞台が大学だからちょっと物珍しく見えるだけかも。
同書で面白かったところ。哲学科を廃止するかもしれないという動きに対して、著者は以下のように述べている。以下、同書116ページより。

(…)名称も人気のない「哲学科」をやめて、つぎのような「人間学科」を作るよう提案した。
 この学科は「人間の精神的文化遺産とともに本能的なものや無意識をも研究することによって、人間の本性を根底的に明らかにすることを目的とする」ものである。これは次のような四つのコースからなる。
 (1) 哲学−深層心理学コース
 (2) 動物行動学−文化人類学コース
 (3) 宗教学−神話学コース
 (4) 日本学−日本精神史コース
 今から考えても、この案はすばらしいものだと思う。もしこんな学科ができたら、学問的な活気もあり、受験生や学生にも人気のあるよい学科ができたことと思われる。

コメントは機が熟するまで差し控えたいと考えております。
【参考】id:using_pleasure:20040822#1093176869