サピア=ウォーフの仮説

サピア=ウォーフ仮説再考 http://am.tea-nifty.com/ep/2004/08/sapia.html
from はてなダイアリー - 認知科学徒留学日誌

ScienceExpressのサピア・ウォーフ仮説を肯定する論文 (Gordon, "Numerical Cognition Without Words: Evidence from Amazonia") について、雨崎さんがまとめていらっしゃいます。最近ピンカーが否定していたのを考えると、まだまだ再考の余地は残ってるんですね、と。

バイリンガルを被験者とした最新の脳科学研究によれば、使用する言語によって活性化する脳組織の部位が異なるそうです(大修館「英語教育」の最近の号※で読みました)。それも考え合わせると、まだまだ研究題材としては面白いですね。
※「英語教育」2004年9月号【特集】第二言語習得研究の最前線 [コラム]バイリンガルの脳ってどうなっているの?(山鳥 重)
※ 字読めない「失読症」、英語圏と漢字圏で原因部位に差(読売新聞 社会ニュース - 9月2日(木)3時3分)
脳卒中などで文字が読めなくなる「失読症」は、アルファベットを使う西洋人と漢字を使う中国人や日本人では、脳の損傷部位が違うことが、香港大 リ・ハイ・タン助教授らの研究で分かった。2日付の英科学誌ネイチャーに発表される。これまでの研究では、失読症の人は文字のつづりを音の固まりに分ける過程に障害があり、左脳の「頭頂葉」や「側頭葉」などでの神経活動の低さが原因と考えられてきた。しかし、先天的に失読症である中国人の子ども8人を調べたところ、左脳の「中前頭回」という西洋人とは別の部位の活動性が低いことが分かった。文字自体は意味を持たない表音文字のアルファベットを使う言語と、表意文字の漢字では、脳での読み方の仕組みが異なるらしい。
→EP : end-point  科学に佇む心と体 漢字圏のディスレクシア

【関連リンク】id:cogni:20040825 サピア・ウォーフの仮説あたり
id:pooneil:20040827 サピア・ウォーフの仮説
▼そういえば、『言語を生みだす本能』も『心の仕組み』(ともにNHK出版)も索引・参考文献・脚注が削除されているんですよね。こういう後々まで参照される本は、索引・参考文献・脚注は付けてほしいものです。