"ブログ" ブームでネットは変わるのか

追記20050122)
結局、日誌(山下清美san)
http://www.ne.senshu-u.ac.jp/~yamasita/diary/new.html

Fri. Jan. 21, 2005 
移転先のサーバが、ちょっと数日間停止しているので、こちらに。
NHKで放送された「"ブログ" ブームでネットが変わる」を見た。
ブログ(ウェブログ)の位置付けやとらえ方が、わたしとは違う、というのは、予想していたことだし、紹介された事例の中には、興味深いものもあったのだが、最後の事例には正直、非常に疑問を感じた。
映画配給会社からお金をもらって、集団で打ち合わせをして、つまりやらせで映画の感想を書く主婦集団。いろいろな観点から書くというだけならまだしも、なんと批判的な感想を書く役の人まで前もって決まっているのだ。
まあ、そういうやらせのブログはあるだろうし、あってもかまわないのだが、そういう仕掛けをしている側の神経がなんだか変だと思った。(…)
ビジネスが入ってくることで、本来ウェブログが持っている情報の真の価値が、根こそぎ覆される危険性がある。
そのことを自ら暴露した人々、またそれを、ブログの可能性として紹介するメディアの神経は、どうなっているのだろうか。

Sat. Jan. 22, 2005 
昨日の感想の続き。
ネット上にやらせの書き込みなんていくらでもあるし、それを見極められるかどうかもユーザのリテラシーの問題だ。
ブログに口コミの威力があることに企業が気づいて、ブログにやらせの記事を書かせる作戦に出る。ここまではわかる。
一番わからないのは、そのビジネスにちゃっかり乗って、やらせの記事を書くブロガ−たちである。作戦会議をしていた主婦たちは、それぞれかなりの人気サイトを運営しているそうである。
きっと彼女たちも、最初は、自分が本心で感じたこと、思ったことを率直にブログに書くことで人々の共感を集め、読者が増えていったのだと思う。
しかしその彼女たちが、実はこうやってやらせで書いて金儲けをしている、ということを暴露してしまったら、少なくとも今まで地道に培ってきた良質の読者は離れていく。
これから先、彼女たちが本当に書きいことを書いても、受け止めてくれる人はもういないだろう。彼女たちは、まさに、ウェブログの価値を自ら手放したのである。
継続して書き続けてきたことで獲得したサイトの信頼性、読者からの親近感が、いっぺんに失われてしまう。そんなことをして小銭が稼げたとしても、何が嬉しいのだろうか。失うものの方が計り知れないほど大きいのに。

んー、なんか不思議な発言ですね。ブログは情報発信(およびコミュニケーション)の手段でしかなくて、それ以上のものを期待するのはない物ねだりだと思います。締めくくりの言葉、「失うものの方が計り知れないほど大きいのに」と書いたところで、「彼女たち」は「失うものはなにもない」と思っているでしょうね。