初校について Part.1 [ 編集者入門ミニ講座 ]

EDITOR NAVI:初校について Part.1 [ 編集者入門ミニ講座 ]
http://plaza.rakuten.co.jp/CafeWien/diary/2005-02-26/

次に、素読み(すよみ)を行います。素読みとは、原稿は脇に置いておき、ゲラを本として読んでいくものです。素読みに臨む際に最も大切なことは、この本を読むであろう読者のレベルに自分を落とし込んで、読者の視点に立って読んでいくということです。

 これは一つの例ですが、例えば、自分が経済学については入門者レベルよりも詳しいとしましょう。もし、このレベルのままで目の前の「経済学を初めて学ぶ人のための入門書」のゲラを素読みしたら、必ずと言っていいほど、「これはわかる。この用語も当り前。やさしいな 〜」と感じて、よっぽどのことがない限り、素読みのゲラに鉛筆書きは入らないことでしょう。

 自分には知識があるのだから、わかるとか、やさしいと感じるのは当り前です。そうではなくて、この本はいったい誰に読んでもらいたいのかという、当初の企画の趣旨を常に意識しながら読み進めなければいけないのです。ですから、たとえ自分に知識があってわかることであっても、その本の読者レベルに立って、

  ・ ここは、このように書いた方がわかりやすくなるのでは?
  ・ この表現の方がよいのでは?
  ・ この文章の主語がわかりにくいのでは?
  ・ この用語は、少し説明を入れた方がよいのでは?
  ・ 似たような表現が繰り返されていますがOKですか?

などといった様々な質問や疑問を、気になった箇所に鉛筆で書き込んでいくことが大切です。決して、「まぁ、いいか、このくらいなら。」と妥協をしてはいけません。

まったく仰るとおりなのですが(ry