ゲアリー・マーカス『心を生みだす遺伝子』
『心を生みだす遺伝子』ゲアリー・マーカス著、大隅典子 訳、岩波書店 2005年3月24日発売
四六/336頁、本体2800円 ISBN:4000053892
内容紹介■「心の発達には遺伝子と経験のどちらが重要か」という問いは,そもそもの前提が間違っていた.遺伝子の役目は生まれたときに終わるわけではなく,人が生涯にわたって経験から学ぶことができるのもまた遺伝子のおかげなのだ.遺伝子が実際にどう働くかをつぶさに見ることで,「生まれと育ち」の真の関係が鮮明に浮かび上がる.(岩波書店ウェブサイトより)
第1章より■本書で目指しているのは(…)ゲノムから洞察を得て,生まれと育ちについての理解と,それらの相互作用がいかにヒトの心を生みだすかについての理解を革新するのに,その洞察を役立てることである.そのために,読者のみなさんには細胞やタンパク質の世界という,遺伝子が実際に働く領域にどっぷり浸かってもらわなければならない.これは,心についての本としては一風変わっているように見えるかもしれない.(…)だが私としては,細胞の世界の仕組みが心の世界を強烈な光で照らすということを,また心の世界は細胞の世界をしっかり捉えることなしには正確に理解することなどできないということを主張したい.そうでなければ,いつもの本質のない「生まれか育ちか」の論議に終始してしまうであろう.
詳細情報■ http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0053890/top.html
提供PDF■ 原註(17頁) 訳注(3頁) 参考文献(31頁)
目次:
謝辞 第1章 どちらが勝るわけでなし 第2章 学ぶように生まれつく 第3章 ブレインストーミング 第4章 アリストテレスの原動力 第5章 コペルニクスの雪辱 第6章 心の配線 第7章 心の遺伝子の進化 第8章 パラドックスの消失 第9章 最後のフロンティア 付録 ゲノム解読のための方法 訳者あとがき 索引
原著HP:http://www.psych.nyu.edu/gary/
原書:Gary Marcus, THE BIRTH OF THE MIND: How a Tiny Number of Genes Creates the Complexities of Human Thought(Basic Books, 2004)>>> id:editech:20040402#p4