『確率的発想法 数学を日常に活かす』NHKブックス
from Hiroaki Suzuki's Blog: 確率的発想法
阿部さんのページに確率的発想法という本がとても優れた本であるという紹介がだいぶ前にあったので読んでみた。
確かに基本のところ(知らないことが多かったのですが)をとてもわかりやすく解説しているだけでなく、かつ先端的な研究の話まで拡張してあり、とても好感が持てた。Maxminとか、自己責任、公共性、正義、確率の時間性など、いわゆる確率の本にはあまり書いていないような広がりがいろいろと見えてきたことがとてもよかった。またそれらの問題に対する著者のスタンスにも強く共感。たとえば、自己責任を問える条件として、
・ルールの公平性(理解可能性)
・効用、選好についての完全知
・参加回避の自由
が挙げられており、これらが満たされることは現実世界では究めてまれという主張など。あえて言えば、「決め方の論理」が取り上げられていないのはやや疑問。
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/02/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 60人 クリック: 218回
- この商品を含むブログ (88件) を見る