いつかはレヴィナス

『全体性と無限』発売記念・今日から始めるレヴィナス(院生の小窓)
http://blogs.yahoo.co.jp/yske67_67/17711053.html

一部引用。続きは上記URLへ。

『全体性と無限』発売記念・今日から始めるレヴィナス
レヴィナス著/熊野純彦訳 『全体性と無限』 岩波文庫

 発売から五日が経ちましたが、正直なところ、「レヴィナスって誰やねん」という声が、世の中では大勢を占めているようです。そこで、今回は特別企画として、邦語で読めるレヴィナス関連文献の紹介、というよりむしろ、私の個人的な読書遍歴の紹介を。

  <熊野純彦の巻>
  熊野純彦 『レヴィナス 移ろいゆくものへの視線』 岩波書店
       『レヴィナス入門』 ちくま新書

 今回の翻訳の訳者による、レヴィナス論を二冊。熊野先生はご専門がもともとドイツ観念論現象学で、生粋のフランス現代思想研究者ではないだけに、むしろ逆にレヴィナスの思想を高い哲学的水準で追求しておられます。前者『レヴィナス』は、「所有」や「時間」、さらにそこから鮮明に浮かび上がる「他者」を主題に、「一見すくいがたく断定的にみえるレヴィナスのテクストを読み込み、その主張の意味を考えぬいて、可能なかぎり明晰なことばにおきかえてゆく」(まえがきより)試み。管見のかぎり、テクストの読み込みの深度、精度、哲学的議論の水準の高さからいって、邦語の研究文献としてはなお頭一つ抜けた存在。現在入手が困難なのが残念。後者『レヴィナス入門』は、主にレヴィナスの二つの主著(『全体性と無限』と『存在するとはべつのしかたで』)を、レヴィナスの来歴、当時のフランスの思想状況、さらに著者の「個人的な経験」と結び合わせながら、難解なレヴィナスのテクストを、丁寧に読み解く。「レヴィナスについて、とにかく何か1冊読みたい」というのなら、まずお勧めしたい一冊。


全体性と無限 (上) (岩波文庫)

全体性と無限 (上) (岩波文庫)

レヴィナス―移ろいゆくものへの視線

レヴィナス―移ろいゆくものへの視線

レヴィナス入門 (ちくま新書)

レヴィナス入門 (ちくま新書)