『最強!戦略書徹底ガイド』と「新スー過去2 経営学」

▼通勤のお供に。
『最強!戦略書徹底ガイド』有坪民雄/守屋淳 著、ソフトバンク クリエイティブ、2005/12 ISBN:479733097X

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第1章 『孫子』とその影響圏
第2章 悪と対峙する戦略
第3章 東洋の戦い方、日本の戦い方
第4章 ナポレオンとその影響圏
第5章 革命のもたらした悲喜劇
第6章 戦略はビジョンに従う
第7章 カイゼンの道は改革につながる
第8章 成功する組織に秘訣はあるのか
第9章 めざせ、経営学のメルクマール!
第10章 二十世紀の戦い方―ゲリラ、テロ、核、封じ込め


222ページより。

『個を活かす企業』スマントラ・ゴシャール、クリストファー・A・バーレット著グロービス・マネジメント・インスティテュート訳、ダイヤモンド社

 「社員が利益の源泉」であるのは昔からの真実とはいえ、現代では、労働力を収奪するのではなく、個人の成長と個性発揮を促し、その成果をうまく刈り取る環境を作ること――そうでなければ、利益の源泉である優秀な人材は他に行っていまうだけだ、というのだ。
 (中略)
 これを農業にたとえれば、土壌作りこそがすべてという発想に近い。土壌さえうまく作れば、金を生み出す人材という種はどんどんやって来て、持続的にいろいろな実を結んでくれる。土壌が悪ければ、種は他に行って他で実を結ぶだけ。まずは環境ありきなのだ。
 もちろんこういった時代の流れは、「ヒトの時代」が来るという優しい未来図を描いてくれるわけではない。有益な差別化のできない者はスポイルされる環境となってしまうのだ。やる気のある歯車であれば生き残れたころに比べ、なんと苛酷になったことか――。

『個を活かす企業:自己変革を続ける組織の条件』(Diamond Harvard Business 組織・人事シリーズ)スマントラ・ゴシャール、クリストファー・A・バーレット著、ダイヤモンド社、1999 ISBN:4478372772

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▼通勤のお供に?
『公務員試験 新スーパー過去問ゼミ2 経営学資格試験研究会 編、実務教育出版 ■ 新スー過去2! 平成15〜17年度問題を大幅増補!最新の出題傾向に沿った過去問演習の決定版。2006/02
ISBN:4788939886

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第1章 経営学説(経営学説全般;伝統的管理論・人間関係論・行動科学的管理論 ほか)
第2章 経営組織(経営組織全般;事業部制組織とマトリックス組織)
第3章 経営戦略論(経営戦略全般;経営の多角化 ほか)
第4章 経営学各論(人事・労務管理;生産と技術 ほか)
第5章 現代企業の経営(企業形態;株式会社制度 ほか)


208ページより。

No.8 経営戦略論・マーケティングに関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。【国家I種・平成17年度】

 リソース・ベース理論(リソース・ベースド・ビュー)では、企業は互いに本質的に異なるものであり、この事実から出発して戦略や競争優位を分析すべきだと考える。市場環境の分析からではなく、企業の資源側の立場から、競争優位の創造と維持を説明しようとする。

 横軸に市場シェア、縦軸にイノベーション新規採用者の百分率をとって製品の普及の経過を表したグラフを普及曲線という。採用者の最初の2.5%はクリティカル・パスとも呼ばれ、普及課程ににおいて成否を分ける隘路となっている。

 製品アーキテクチャとはモジュールの形状に関する設計思想のことである。高密度実装技術の目覚ましい進歩によって、モジュールが高密度化し、インテグラルなインターフェースでは、ますますモジュラー・アーキテクチャが採用されるようになった。

 個体群生態学では、複数の製品カテゴリーからなる製品群の集合体として市場をとらえる。個体群生態学によれば、新製品は新しさの利益を受けやすく、構造的慣性の大きな製品群のほうが、そうではない製品群よりも淘汰されやすいとしている。

 企業が海外子会社を設立して海外展開をしていくと、いずれ最終的には、世界的な地域別事業部と製品別事業部を重ね合わせたマトリックス構造の多国籍企業に到達する。多くの企業はその途上にあり、その状態をトランスナショナル企業と呼ぶ。


【解説】4について。218ページより。

4× 個体群生態学(組織生態学)とは、進化論における自然淘汰の概念を経営組織に応用したアプローチであり、M. T. ハナンとJ. フリーマンの論文「組織の個体群生態学」(1997年)が契機となって注目された。(中略)構造的慣性(組織慣性)とは「企業が現状のままであり続けようとする力」を意味し、これが環境変化に対する組織の適応行動を制限することから、「淘汰」が機能することになる。ハナンとフリーマンは構造的慣性を持つ組織のほうが社会的に安定しており、信頼関係も確立しているため淘汰されにくく、「新しい組織は古い組織に比べて消滅率が高い」という仮説を主張した。しかし、古い組織のほうが適応能力も低下しているため消滅率が高いという指摘も、近年なされている。

【正解は1です。】