内田樹の研究室: 村上文学の世界性について

内田樹の研究室: 村上文学の世界性について http://blog.tatsuru.com/archives/001706.php
第6回フランツ・カフカ賞をとった村上春樹ノーベル文学賞をとりそうだというのに、ドメスティックな(=国内での)評価が世界的な評価と一致していなさそうな件に関して、内田先生語る。

ご存じのとおり、今や日本を代表する世界的文学者である村上春樹について、
わが国の批評家のほとんど全員(およびかなりの数の作家)たちが「毛嫌い」
ないし「無関心」を示している。
(中略)
村上春樹が世界的なポピュラリティを獲得したのは、その作品に「世界性」が
あるからである。
当たり前だね。
では、その「世界性とは何か」ということになると、これについて私はまだ
納得のゆく説明を聞いたことがない。
そこで私の説を語る。
村上文学には「父」が登場しない。
だから村上文学は世界的になった。
以上、説明終わり。

なるほど、「象徴界想像界」(ラカン)などと書かないあたり、内田先生の作戦勝ちだと思ふ。