副詞の位置

畠山雄二先生の『言語学の専門家が教える新しい英文法』の第8章「副詞はどのに置く?」を見ていたら以下のような記述があった。[174頁]

(32) My friend thoroughly enjoyed the book.
(33) My friend enjoyed the book thoroughly.
(34) *My friend enjoyed thoroughly the book.
 様態副詞の thoroughly が、(32)では動詞の直前に、(33)では文末に、そして(34)では動詞(enjoy)とその目的語(the book)の間に現れている。結果は、見ての通り、(32)と(33)は適格だが、(34)はダメである。このことから分かるように、動詞とその目的語の間には副詞を置いてはダメなのだ。

このあとで、動詞の目的語が重い(=長い)名詞句、前置詞句、that節、to不定詞の場合はこの限りではないという解説がある。うーん、(34)はダメというより、「(32)、(33)のように書くのが普通」ぐらいのほうがいいような気がする。

もうひとつ気になった箇所があった。[163頁]

(8) Clevely, John jumped into a taxi.
 上の文はあえて訳すと、「ジョンは賢いことに、タクシーに飛び乗った」となるが、文頭にある cleverly(「賢いことに」)は、上の訳から分かるように、主語の John を修飾している。ようするに、John のとった行動がどうなのかを表しているのだ。

「John cleverly jumped into a taxi.」であれば、cleverly は主語副詞となり、「ジョンは賢いことに、タクシーに飛び乗った」となるのはわかるのですが、「Clevely, John jumped into a taxi.」の Clevely は発話様式副詞(=話し手の意見や気持ちを表す)であって、「賢いことに、ジョンはタクシーに飛び乗った」という訳が正しい気がする。
うーんうーん、なにか勘違いしてるのだろうか…。


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