コンバージェンス -1兆ドルへの挑戦(東洋経済オンラインマガジン)

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第1回 コンバージェンスとは (池末成明)
通信と放送の融合
通信と放送の融合が話題になっています。「融合」は、「コンバージェンス(convergence)」の訳語で、技術の世界では異質の技術を結合させることをいいます。たとえば、メールや着メロ、通話を合体させた携帯電話はコンバージェンス型の製品です。コンバージェンスは、まったく別のビジネスを融合させ、新しいタイプの製品やサービス、提携、バリューチェーンを生み出します。たとえば、着メロは、音楽業界、コンテンツ配信会社、電話会社の提携による新しいバリューチェーン(※1)でのサービスです。今や、音楽や動画などのコンテンツのダウンロード配信も一般的な流通形態となり、トリプルプレイ(※2)やワンセグ放送(※3)も始まりました。これらも複数のサービスが融合したコンバージェンス型のサービスです。
欧米では、こうした動向が進むにつれ、テクノロジー、メディア、通信の三つの業界がTMT業界(Technology, Media and Telecommunications Sector)というひとつの業界に融合すると考えられてきました。この融合もコンバージェンスといいます。トーマツも2002年からTMTグループを立ち上げ活動しています。

※1 バリューチェーン:企業が提供する製品やサービスは、原材料から最終商品に至るまでの過程で、関連する企業がそれぞれに価値を連鎖的に創造する考え方のこと。
※2 トリプルプレイ:1本の回線で、インターネット接続、IP電話、映像配信の3つのサービスを提供すること。

【関連リンク】Thought Leadership コンバージェンス 1兆ドルへの挑戦 http://www.tohmatsu.com/news/tmt/topics20060412_3.shtml

目にみえる形のコンバージェンスの姿は、製品とサービスのコンバージェンスです。しかし、製品とサービスのコンバージェンスは、プラットフォームのコンバージェンスと組織のコンバージェンスがあってこそ達成可能です。
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