アダプティブエンタープライズ=適応進化する企業

●インタビュー<「モジュール化」と「再統合」で誰よりも早く現実に追従するためのシステム基盤を実現する(第3回)>「アダプティブ・インフラストラクチャ戦略」の真価とは? 日本ヒューレット・パッカード株式会社 村井 修造 氏
http://premium.nikkeibp.co.jp/ae/int/03/    

──まずは、「アダプティブ・インフラストラクチャ戦略」というコンセプトが出てきた背景について教えてください。
村井氏(以下、敬称略):  今回、発表した「アダプティブ・インフラストラクチャ(Adaptive Infrastructure)戦略」の前に、当社では2003年から「アダプティブエンタープライズ(Adaptive Enterprise)」というビジョンがあります。
 アダプティブエンタープライズですが、これは私どもだけの“専門用語”ではありません。一般的な経営学の用語で、「適応進化する企業」とういう意味です。すなわち、環境の変化や不測の事態に柔軟に対応し、変化を活用できる企業や組織体のことを指します。

 企業はアダプティブエンタープライズであるべきで、これをITの側面から支えるインフラやデータセンターの理想的な、あるべき姿を実現するためのサービス、製品、ソリューションを展開することをアダプティブ・インフラストラクチャ、つまり「変化適応型IT基盤」と呼びましょう、ということなのです。

 では、いったい具体的にこれは何かというと、実はヒューレット・パッカード(HP)が社内ITを活用して、今まさに実現しようとしていることなんですね。

 かつて、旧コンパックとの合併に伴い、ITも統合が必要でした。そのときに色々と苦労した結果をノウハウとして、一般的な大企業のお客様に“ベストプラクティス”として提供しようというものです。具体的には、「24時間365日、完全自動化されたITインフラの実現を目指し、製品・ソリューション・サービスを提供する」ということです。