『創発する社会』(國領二郎編著)
『創発する社会』國領二郎編著、日経BP企画、2006/11 A5 248ページ 本体2000円 ■ グーテンベルク以来、印刷技術は人間の知を広く交流させ新しい価値を生み出す決定的な基盤技術だった。しかし、インターネットの登場によって社会に新たな状況が発生しつつある。そこで生じている新しい価値や現象を考えるとき、重要なキーワードとなるのが「創発」という概念だ。だが、そもそも「創発」の明確な定義はなく、それを意図的に生み出したり、利用したりすることが可能なのかも分かっていない。そこで「創発」を経営理念の中核にすえた大日本印刷株式会社(DNP)と慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の研究者グループが、創発をどのように定義するかを議論するとともに、それをコントロールしたり利用したりする方法があるのかということについて共同研究を推進してきた。その中間成果物が本書である。本書は3部構成とし、第1部では、「創発とはどのようなものなのか?」を明らかにする。第2部では、「どうすれば創発が生まれるか」を、社会で起きている出来事と創発現象の関係で考える。そして、第3部の「あれも創発、これも創発」では、社会における創発現象を元に、これをコントロールしたり社会に役立つものとして利用できるかを考える。
- 作者: 國領二郎
- 出版社/メーカー: 日経BPコンサルティング
- 発売日: 2006/11/25
- メディア: 単行本
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「創発する社会」の目次 なぜ創発なのか……………國領二郎 〔第1部〕創発とはどのようなものなのか? 第1章:創発という、怪しくて魅力的な何か………熊坂賢次 第2章:創発しようぜ!――創発を誘発する空間の設計……國領二郎 第3章:創発ウォーミングアップ――転機を迎えた「生物に学ぶ研究」……仰木裕嗣 慶應SFC〜DNP合同セミナー対談(前編):DNPがなぜ創発に気付いたか 〔第2部〕どうすれば創発が生まれるか 第4章:コラボでつくる!――コミュニケーションの連鎖による創発……井庭崇 第5章:ネットはコンテンツを創発させるか――クリエイティブ・コモンズの試み……土屋大洋 第6章:創発ベンチャー――「つながり」で世の中がよくなるの?……宮川祥子 第7章:ふり向けば創発――モバイルリサーチとコミュニティづくり……加藤文俊 〔第3部〕あれも創発、これも創発 第8章:目的は適度にあやふやに――創発のためのメディアデザイン……脇田玲 第9章:生み出せるか、進化する創発のシステム――コネクション・メリットによる新価値生成への試み……清木康 第10章:絵でコンピュータは動かせるか――ビジュアル・プログラミングの発想……服部隆志 第11章:もったいない――インターネット時代の情報再活用……南政樹 第12章:神様はどこにいるの――ユビキタス社会のかたち……徳田英幸 慶應SFC〜DNP合同セミナー対談(後編):創発の具体的事例 吹けよ風、呼べよ嵐〜創発は嵐とともに 創発プロジェクトと本書の執筆者