HBR日本語版 2007年2月号 特集:【創刊30周年記念特集】第2弾 戦略論の原点

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2007年2月号 特集:【創刊30周年記念特集】第2弾 戦略論の原点 2007年1月10日発売 予定価格:2,000円(税込)

  • [1979年マッキンゼー賞受賞論文]最も有利なポジショニングに向けて
    競争の戦略:5つの要因が競争を支配する
    マイケル・E・ポーター ハーバード・ビジネススクール 教授

    ポーターは、産業経済学の論理を競争戦略に応用し、産業構造を分析するシステマティックなフレームワークを提示した。本稿を第一章とする『競争の戦略』は一九八〇年に上梓され、戦略論の世界に新風を巻き起こすことになる。ポーターは、さまざまな産業の実証的研究と豊富なデータの分析から、産業内の競争を支配する五つの要因を明らかにし、自社に有利に働き、競争を支配しうるポジショニングを見出すことが競争戦略の要諦であると説く。現在、このポジショニングのアプローチの限界も指摘されているが、この考え方はいまなお、競争戦略の基本となっている。
  • 【1987年度マッキンゼー賞受賞論文】「三つの基準」と「四つのコンセプト」
    競争優位の戦略:「企業戦略」を再考する
    マイケル・E・ポーター ハーバード・ビジネススクール 教授

    八〇年代初頭、第2次オイル・ショックと日本企業の攻勢によって、アメリカ産業界は自信喪失に陥っていた。そして、六〇年代から本格化した多角化戦略もついに壁に突き当たる。コングロマリットの大半が低収益化し始め、事業の取捨選択に迫られていたのだ。このような時代背景の下、本稿は執筆された。ポーターは、アメリカの大手コングロマリット三三社が多角化に向けて五〇年から八六年までに実施した買収、合弁事業、新会社の設立、計三七八八件を詳細に調査した結果、その大半において「企業戦略」が欠如しているという結論に至った。
  • 【1987年度マッキンゼー賞受賞論文】戦略は体系的に計画されない
    戦略クラフティング
    ヘンリー・ミンツバーグ マギル大学 教授

    多くの経営書が「戦略は計画される」という前提に立っている。これは「環境は大きく変化しない」という前提でもある。しかし現実には、戦略は修正されたり、書き換えられたりする。さらにミンツバーグは「戦略は計画されるだけではない」と指摘する。ある時は偶然に発見され、ある時は自然発生的に創発することがあるという。工芸(craft)をアナロジーに用いながら、戦略が形成されるプロセスの本質に迫る。なお、本稿の初出は一九八七年であり、新訳を施して再掲載したものである。
  • 【1965年度マッキンゼー賞受賞論文】戦略は予測することから始まる
    企業の未来
    H・イゴール・アンゾフ 元アライアント・インターナショナル大学 特別教授

    「戦略経営の父」、ハリー・イゴール・アンゾフは、その歴史的著作『企業戦略論』を著わした一九六五年に本稿を発表した。彼の基本姿勢は、企業は環境に規定され、その予測が戦略を決めるというもので本稿はまさしくこの考え方に基づいて執筆されている。これは、その後のポジショニング論などの前提となるものである。また、自社独自の特殊能力を身につける必要性についても訴えている。これも、その後のコア・コンピタンスやリソース・ベースト・ビューなど、戦略は組織能力に依存するという考え方に影響を及ぼしている。
  • 常に顧客のニーズを深耕せよ
    競争は戦略の目的ではない
    大前研一 ビジネス・ブレークスルー大学院大学 学長

    戦略の本質に立ち返るとは、いかなることか。それは、顧客の真の求めに応えることにほかならない。しかし、ほとんどの企業がライバルとの競争に目を奪われている。海外のライバルと競争するグローバリゼーションの時代において戦略は事業環境や産業構造に規定されるべきではなく、顧客ニーズを出発点にプランニングされなければならない。ヤマハの自動演奏ユニット、花王の入浴剤など、競争優位ではなく顧客価値に軸足を置くことで成功した日本企業の事例をひも解きながら、「戦略とは何か」を考える。
  • 米英独二〇〇大企業の歴史研究が明かす
    スケール・アンド・スコープ 産業成長の論理
    ルフレッド・D・チャンドラー ハーバード・ビジネススクール 名誉教授

    産業の初期に生産施設のみならず、マーケティングやマネジメントにも多額の投資を傾けた企業は、長期に「規模の経済」と「範囲の経済」を享受しうる。二〇世紀の経済成長に最も重要な役割を果たしてきた産業、すなわち一八八〇年代や一八九〇年代における化学製品や電気機器、一九二〇年代の自動車、あるいは八〇年代のコンピュータのいずれを見ても、同じパターンが繰り返されてきた。これらの産業の支配者となった企業は、産業資本主義を推進する成長と競争のダイナミックな論理、すなわち、筆者のいうところの「経営者企業の論理」を理解しており、逆にこの論理を軽視した企業は市場から駆逐されてしまった。