『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子)

Amazonカスタマーレビューのishilinguistさんの書評どおり、これはお勧め。

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)

字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ (光文社新書)

映画の字幕翻訳は、普通の翻訳と大きく違う。
俳優がしゃべっている時間内しか翻訳文を出せないので、
セリフの内容を一〇〇パーセント伝えられない。
いうなれば字幕は、「要約翻訳」なのである。
映画字幕翻訳を始めて約二〇年、手がけた作品数は一〇〇〇本余りの著者が、
外国映画翻訳の舞台裏、気になる日本語などについて綴る。
   ▽ ▽ ▽
尻をたたかれ続けて20年、「映画界の影武者」(女)、初告白。
学校のテストで100点の翻訳も、映画字幕では0点になるセリフとは?
「いまどきの日本語」と格闘する舞台裏を綴った、抱腹絶倒のエッセイ。

【目次】
まえがき
外国映画の翻訳二種
第三の映画翻訳
映画字幕の作り方
吹き替えの自由と苦労
ちがって当たり前
驚異の語学力
おしゃべりなメール文
句読点の苦闘
そんなに叫んでどうするの 〜「!」の話
ルビと混ぜ書き
ざる知識のススメ
非英語圏の映画字幕
勝手にキャラづけ 〜言葉遣いの「色」
乱れ飛ぶ「お」と「さん」
させていただきたがる人々
くさいものにはふた 〜禁止用語をめぐって
くさそうなものには全部ふた 〜禁止用語をめぐって
くさくなくてもこっそりふた 〜禁止用語をめぐって 番外編
読めない! 〜文脈の壁
読めない! 〜教養の壁
読めない! 〜流行の壁
押し読ませ
売りたい! 〜胃痛編
売りたい! 〜復活編
字幕屋に明日はない?
明日に向かって打て!
あとがき

【著者紹介】
一九五九年広島県生まれ。映画字幕翻訳者。天理大学ロシア学科を卒業後、
ロシア文学研究者を目指して上京し、早稲田の杜に潜り込むも一年で挫折。
映画の自主上映団体や字幕制作会社でアルバイトをしつつ、字幕翻訳の道
へ進み現在に至る。映画翻訳家協会会員。字幕翻訳作品に『コンタクト』
『17歳のカルテ』『初恋のきた道』『アザーズ』『シュレック2』『エル
ミタージュ幻想』『ヒトラー 最期の12日間』ほか一〇〇〇本余り。