編集長ランチ - 第四回・MACPOWER編集長・高橋幸治氏 (1) - 【magabon】

編集長ランチ - 第四回・MACPOWER編集長・高橋幸治氏 (1) - 【magabon】
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高橋幸治 編集長:1991年、電通に入社。CMプランナーとして広告制作に携わった後、94年アスキーに入社。2001年『MACPOWER』編集長に就任。

雑誌というのはいろいろ作って、ダメだったら辞めて、またいろいろ作ればいいんじゃないかなと思う。時代の空気や、ある業界の状況などといった文脈の中に一瞬だけでもカチッとはめて、そこで発熱して面白い感じが生まれればそれでいいと思っているんです。それで時代の文脈が変わったら、形を変えたり辞めちゃってもいいなと思う。そういう意味では、今の『MACPOWER』はパソコン誌としての終焉を見せている、みたいなところがあるんですよ。パソコン誌でありながら、パソコン誌でなくなるプロセスを過剰に演出して見せている。

(中略)

表紙のアートディレクション佐藤可士和さんにやっていただいているのも、エディトリアル以外の人に雑誌の顔を作ってもらいたいという思いがあったからなんです。表紙は、一年分を全部一度に決めてしまいます。それも物凄く感覚的な作業です。この5月号からは、写真が佐内正史さんの作品に変わります。

5月号からの写真家を誰にしようという打ち合わせを可士和さんとしたときに、僕が思い描いている『MACPOWER』のロードマップを、表紙でしか関わっていない可士和さんも思いのほか共有してくれていたんですよ。そんな可士和さんとの共通の気分があって、佐内さんの写真は強いし、これまで以上にちょっと変な雰囲気になるかな、というところに落ち着きました。
今の『MACPOWER』の逸脱のストーリーって、次の3年目でほぼ完了かなというのを、可士和さんもきっと感じていて、そのストーリーに合致するのは佐内さんの写真なんじゃないか、という感じがありましたね。より、『MACPOWER』である必要性がなくなる感じが3年目。まず表紙まわりから引っ張られて中身にもそれが現れてくると思います。