『哲学字彙』の和製漢語 ─その語基の生成法・造語法─(高野繁男)

高野繁男(2004)『哲学字彙』の和製漢語 ─その語基の生成法・造語法─, 人文学研究所報 No.37, 神奈川大学 人文学研究所
http://human.kanagawa-u.ac.jp/kenkyu/publ/pdf/syoho/no37/3707.pdf

〈要旨〉本論文は,資料『哲学字彙』初版(1881・明治14年)に収録されている全語彙をその造語要素である「語基」(stem)に分解し,その語基のうち,新たに生成されたものを対象に,語基の生成法を明らかにし,その語基を再び語に戻すことで,語を構成するシステム,つまり和製漢語の造語法を追求する。
 また,この期に生成された語基のうち,現代語として活用されているものと,そうではなくすでに消滅(39.7%)し,訳し換えられているものがある。どのような語・語基が残り,どのような語・語基が消滅するのか。その語基の単位である漢字のレベル,語を構成する語法のレベルを基本に論じた。


【関連論文】高野繁男(2001, 2002)『明六雑誌』の語彙構造-2字漢詩を中心に(その1, その2), 人文学研究所報 No.34-35, 神奈川大学 人文学研究所
『『明六雑誌』とその周辺 西洋文化の受容・思想と言語』(人文学研究叢書 No.20), 神奈川大学人文学研究所編, 御茶の水書房, 2004 >> http://human.kanagawa-u.ac.jp/kenkyu/publ/sousyo11.html#20

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