有斐閣2007年9月新刊

●『ネットワーク市場における技術と競争のインターフェイス』根岸哲,川濱昇,泉水文雄(甲南大学教授,京都大学教授,神戸大学教授)/編、有斐閣、2007/09 A5判上製カバー付,386ページ 6000 円 ■ 現代技術がもたらす経済的な効果が,どのような経済論理の回路に導かれ,どのような具体的インパクトを企業行動および市場競争にもたらしているのかを,法的なコンテクストから明らかにする。新進気鋭の執筆者が理論的・実務的な分析を行った注目の一冊。

目次
第1章 ネットワーク効果を戦略的に利用する独占の規制
第2章 情報技術(IT)の競争インパクト
第3章 浸透する競争と事業法規制のインターフェイス
第4章 ネットワーク市場における知的財産権の意義と限界
第5章 グローバル化するネットワークと貿易・競争

ネットワーク市場における技術と競争のインターフェイス

ネットワーク市場における技術と競争のインターフェイス

●『セルフヘルプ社会 互助のマネジメントの理論と実際』田尾雅夫(京都大学教授)著、有斐閣、2007/09 3200 円  A5判並製カバー付,360ページ ■ 高齢社会をいかに生き抜くのか──互助をめざすセルフヘルプ集団が重要視され,社会にその仕組みを定着させることが不可欠となってきているなかで,セルフヘルプの意味,その集団の特徴・発展過程・効用と限界・管理などについて,はじめて包括的に解説する。

目次
第1章 セルフヘルプ社会の到来
 超高齢社会という与件
 超高齢社会を支えるために
 本書の立場
第2章 セルフヘルプ集団とは何か
 定義の試み
 集団としての特徴
 支え合うという関係
 社会的背景について
 支え合いを超えて
第3章 セルフヘルプ集団の領域
 ドメインの確定
 具体的な事例紹介
第4章 集団はどのように成り立つのか
 集団とは何か
 集団ができるまで
 集団が成立して以後
 意思決定
 制度へのはめ込みとコンフリクトの発生
第5章 セルフヘルプ集団の生成
 組織論による論点整理
 セルフヘルプ集団の生成
 セルフヘルプ集団の特異性
 ビュロクラシーの出現
 サービス提供組織との比較
第6章 セルフヘルプ集団の効用
第7章 セルフヘルプ集団の限界
第8章 セルフヘルプ集団のマネジメント
第9章 セルフヘルプ集団の展開:新しい課題に向けて
第10章 結論と残された課題

セルフヘルプ社会―超高齢社会のガバナンス対応

セルフヘルプ社会―超高齢社会のガバナンス対応

●『ライセンシング戦略 日本企業の知財ビジネス』高橋伸夫,中野剛治(東京大学教授,東洋大学専任講師)編著、有斐閣、2007/09 2500円 A5判並製カバー付,250ページ ■ ライセンスをどのように経営戦略に組み込むか。これまで実務や手続きの側面を扱う書物が多かったライセンス問題を第一線経営学者がビジネスのあり方を問いつつ分析。編者自身のモティベーション論,能力蓄積の考え方に基づく五つの視点がユニーク。

目次
第1章 ライセンス・ビジネス概論=高橋伸夫
 1 二つのきっかけ
 2 経営学的な五つの視点
  視点1:ライセンス・ビジネスにおける特許権の金銭的価値
  視点2:発明者自らが起業した場合の創業者利益
  視点3:リソース・ベース理論(RBV)からみた特許権の貢献度
  視点4:モティベーション理論からみた金銭的報酬
  視点5:ライセンス契約を核にしたアライアンス
 3 小 括
第2章 経営戦略としてのライセンシング=中野剛治・和久本芳彦
 1 ライセンスとは
 2 ライセンス交渉のプロセス
 3 ライセンシー側の技術開発
 4 ライセンサーとしての事業連携
 5 ライセンスにできること
第3章 技術移転の考え方=高橋伸夫・中野剛治
 1 研究資金と特許の帰属
 2 技術移転とTLO
 3 米国の技術移転
 4 ドイツ型技術移転
 5 日本の技術移転
 6 マーケッタビリティーの視点からの技術移転
第4章 ライセンス紛争とLinuxの奇跡=高橋伸夫・高松朋史
第5章 ソフトウェア・ライセンスと開発スタイル=八田真行