『フーコーの後で─統治性・セキュリティ・闘争』
『フーコーの後で─統治性・セキュリティ・闘争』芹沢 一也・高桑 和巳 編著、慶應義塾大学出版会、2007/09 四六判/並製/280頁 ISBN:9784766414042 本体2000円 ■ コレージュ・ド・フランス講義録を媒介に、1970年代後半のフーコーの問題系にフォーカス。この時期のフーコーの関心は、社会防衛、セキュリティ、統治論、自由主義論などにあり、それらは私たちの(たとえば現在の日本の)日々の問題の核心とつながっている。気鋭の論客たちが、理論、運動 - 政治、社会それぞれの側面から、フーコーを読み、使いまわし、今日の社会・世界に向かう新たな視座を提示する。
「序」を立ち読み可能 >> http://www.keio-up.co.jp/kup/webonly/humanity/foucault/browse1.html
というわけで、ここに「その後のフーコー」が立ち現れてくる。私たちは、新たに明確化されてきた「後期フーコー」とでも呼べるこの時期に焦点を合わせた。「フーコーの後で[フーコー・アフタワード]」はどのような問題設定がなされているのか? それは私たちにどのような有効な視点を提示してくれるのか? どのような新たな切り口が得られるのか? これらの問いこそ、この論集の執筆者の一人ひとりがそれぞれに立て、応えようとしている問いである。
序 高桑和巳 I 統治性 重田園江 戦争から統治へ――コレージュ・ド・フランス講義 高桑和巳 インセンティヴとは何か? II セキュリティ 芹沢一也 〈生存〉から〈生命〉へ――社会を管理する二つの装置 土佐弘之 グローバルな統治性 III 闘争 箱田徹 イスラーム的統治は存在しない――フーコーのイラン革命論と対抗導き 廣瀬純 革命と野蛮と、これがスローガンだ!――『「社会を防衛しなければならない」』を使うために 酒井隆史・渋谷望 フーコー・ファンク・犬(インタビュー) おわりに 芹沢一也