『南方熊楠・萃点の思想―未来のパラダイム転換に向けて』
『南方熊楠―地球志向の比較学』(講談社学術文庫 528)と続けて読むとよい。南方の思想を、対立を徹底的に拒否して関連性を追求するもの、と位置付ける。それは、アリストテレス形式論理学(異質な点があるから別のもの)ではなく、古代論理(同質な点があるから同じもの)の重視であり、「因果」と「縁」の重層性であり、「必然と偶然」であり、ファジー論理であり、複雑系であり、そういうすべてのものが「南方曼荼羅」に示されていると言うのだ。
『南方熊楠・萃点の思想―未来のパラダイム転換に向けて』鶴見和子 著、藤原書店、2001/05 ISBN:4894342316 ■ 欧米への放浪と那智陰栖のなかで熊楠が到達した、日本と西洋、地域と地球を自在に往還する「萃点」の思想とは何か。「内発性」と「脱中心性」との両立を追究する鶴見和子が、熊楠思想の深奥から汲み出したエッセンス。気鋭の熊楠研究者・松居竜五との対談も収録。
- 作者: 鶴見和子
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