GoF:Gang of Four

デザインパターンを活用する〜中谷多哉子〜

パターンの歴史は,1970年代後半に,C. Alexanderが街や建物を造るときの253のパターンをパタンランゲージとしてまとめたことから始まります.例として,C. Alexanderの横断歩道パターンを紹介しましょう.
例:横断歩道([1]より抜粋)
歩行路が道路を横断する地点では,たとえ歩行者に法的優先権があろうとも,車には歩行者を脅迫し,服従させる力がある.これは歩行路と道路が同一平面上にあるとつねに生じる問題である.(中略)横断者が道路を快適で安全と感じるのは,横断歩道が障害物になり,車がスピードを落とし,歩行者に道を譲ることを物理的に保証される場合のみである.(中略)横断歩行路を道路より15-30cm高くし,道路がそこに向かって盛り上がるようにすればよい.勾配が1/6以下であれば車には安全だし,しかも確実に車はスピードダウンする.遠方から横断を見やすくし,またそこでの歩行者の権利に重み付けをする意味でも,道路際に縁を設けて歩行路を明示することもできよう.(中略)問題の道路に,1日数回,異なった時間に出かけてみること.その度に,何秒待てば横断できるか測ること.待ち時間の平均が2秒以上であれば,このパターンを適用する方がよい.(後略)

[1] C. Alexander: A Pattern Language, Oxford University Press, 1977.(平田翰那訳, パタン・ランゲージ, 鹿島出版会, 1984ISBN:4306041719