党派と人種と宗派がわかれば自動的に主張が決まる。

from テキサス☆政治学留学生活 4月4日(日)の昼

またまたダイレクトメールの話で恐縮ですが、先日差出人がAMUと書かれた封筒が届きました。表に大きく「あなたへの小切手が入っています」と書いてあります。また悪徳商法か何かかと思って開けてみると、何だか感じが違います。どうやらAMUとはアヴェ・マリア大学の略号らしく寄付金のお願いをしています。それによると、

同封されているのはあなたに宛てられた本物の1ドル小切手です。もしあなたが望むなら換金することができます。でも私はあなたがそうしないことを望みます。カトリックの神父として、私はお金をどこかにやるほどの余裕は本当に無いのです。私はあなたの関心を引くためにこの小切手を送りました。

とのこと。で、結局要するに寄付金のお願いです。こんなことして寄付金を集める教会や大学って信用できないような・・・(ていうかこれは本当に実態のある大学なのか!?)。ちなみにその手紙には「もしあなたが文化的、政治的保守派で、さらにローマカトリック教徒なら」とあります。つまりこの手紙は、献金をしてくれる確率を上げるために、保守派でカトリック教徒である可能性が高い人に送られているということです。おそらくNational Reviewの読者に送っているのでしょう。というのもNational Reviewは、カトリック系保守派の雑誌だからです。だから例のメル・ギブソンの映画"The Passion of the Christ"は同誌によってべた褒めされていました。アメリカの保守派は普通プロテスタントで、民主党支持の傾向が強いアイルランド系はカトリックです(ケネディ家は言わずと知れたアイルランド系)。そういうことから考えると、これはちょっとした「ネジレ」です。また似たような例として、民主党系であるThe New Republicがあります。同誌は民主党予備選挙ではリーバーマンを応援するなどユダヤ系で、当然メル・ギブソンの映画は「反ユダヤ的」ということですごいけなしようなのですが、イラク戦争にはイスラエルを援助するという意味で賛成の立場をとっており、リベラル系なのにイラク戦争に関してはブッシュをあまり非難していませんでした。
このようにアメリカの政治には党派だけでなく、宗教も大きな影響を与えています。アメリカの議員年鑑にはそれぞれの議員の宗教が書いてあって、それと党派と人種を見るだけでだいたいその人がどのような主張をしているか察しがつく、というくらいなもんだそうです。