ネット上の美術館(四方幸子)
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ネット上の美術や美術館は、おおまかに二つに分けられる。ネット上においてのみ存在しうる作品やプロジェクト、そして既存の作品や美術館の補足・拡張としてネットが利用されるものである。前者はネットというメディアの特性を利用したネット・アートやプロジェクトであり、90年代半ばの批評的な実験に始まり現在はデジタル・コミュニティやコモンズなど社会的な実践にまで広がりつつある。後者は、いまや世界のほとんどの美術館が開設しているウェブサイトであり、現実の作品や美術館に接する前にどこからでもアクセス可能な情報源となっている。