大澤真幸 vs. 北田暁大

from 成城トランスカレッジ!! ?戯言@はてな?

◇『季刊InterCommunication No. 49』での大澤真幸×北田暁大の対談が苛烈です。読まれたし。

from Sound and Fury

InterCommunication』No.49の5つの対話特集は、どれも刺激的で読みながら知的興奮を感じている。大澤×北田対談での、大澤氏の北田本への容赦ない批判は、すごいなあと。

何はともあれ読んでみることにする。BGM に Brian McNight/U TURN は合わないんだけど。ちなみに、BACK SEAT (GETTIN' DOWN) がお薦め。

(1時間後)ふー、読み終えた。たしかに、苛烈で容赦ない。しかし、大澤氏はあそこまで読み取れているのなら、もう少し違う攻め方があっただろうに、と思う。冒頭の大澤氏のジャブ、そして北田氏が受けて、再度ジャブ、ジャブ、ボディブローの攻撃はなんとなく予定調和的だ。それでも、こういう一見激しいやり取りが、アカデミズムの世界にいる人にはものすごく刺激的だろうなというのはわかる。実際、面白い対談だと思う。だけれど、対談の後半では『責任と正義』の限界を見極めた上での次の一歩について討議して欲しかったな(もちろん、断片的な示唆はあったが)。あるいは、北田氏の頭の中にある膨大な地下資源から金鉱を見つけだして欲しかったと言ったほうがいいだろうか。
(追記)自分にとってこの対談で有益だったのは、大澤氏が北田氏が『責任と正義』の冒頭で示している見取り図とは別の見取り図を示してくれている点である。いまだに『責任と正義』は読み終えないのだけれど、『責任と正義』の(自分にとっての)意義は先達の理論の相関図、関わり方、読み取り方、多数のキーワードを示していることにある。北田氏のフィルターがかぶさってはいるが、ひとつのガイドとして使うのもいいと思っている。きっと邪道な読み方だと言われるに違いないが。
この対談で知ったこと。休刊したものと思い込んでいた「アステイオン」が阪急コミュニケーションズから発行されていたこと。最新号(第60号)の特集は「特集:多元主義時代の倫理を考える」、第2特集は「第2特集 イラク戦争アメリカ」。大澤真幸京都大学助教授)の「多文化社会の真実??共存のための倫理と技法」が掲載されている。