『翻訳通信』第26号(2004年7月号)

今号も辛い。

●●『翻訳通信』第26号(2004年7月号)を以下に掲載しました。●●

PDFファイル約120KB:
http://homepage3.nifty.com/hon-yaku/tsushin/bn/200407.pdf
Wordファイル約90KB:
http://homepage3.nifty.com/hon-yaku/tsushin/bn/200407.doc


●『翻訳通信』第26号(2004年7月号)の内容
■ 翻訳格付けの方法 山岡洋一
− 飛躍と密着の間
 翻訳格付けの準備として、翻訳格付けの方法について考えたい。「必要に応じて、英文和訳で決められた公式や、英和辞典に書かれている訳語から巧みに飛躍する翻訳」になっているかどうかが基準になる。

■ ひとさまの誤訳(第三回) 柴田耕太郎
− 『キス・キス』(早川書房刊、ロアルド・ダール作、開高健訳)その2
 この本の誤訳が118箇所というのは、そのままでは作品の理解に齟齬をきたす部分だけをひろった数であり、「引用したら恥をかく」程度の箇所も含めればすぐすぐその何倍にもふくらむ。

■ 名訳 須藤朱美
土屋政雄訳『アンジェラの灰』
 鋭い鑑賞眼と豊かな感受性に基づいて原著の面白さを伝える一流の翻訳家、土屋政雄の名訳を先月号に続いて紹介する。

山岡洋一氏曰く、

翻訳の質を判断する際の基本的な基準は、これまでも何度か書いてきたが、「原著者が日本語で書くとすればこう書くと思える翻訳」かどうかである。

そして、いわゆる「原文に忠実な訳文」はダメだと言う。「原文に忠実な訳文」がどうなるかといえば、

いわゆる翻訳調の「かたい」訳文、「原著者が日本語で書くとすれば、いくらなんでもこんな馬鹿げた文章は書くまい」と思える悪文になる。