「ビジネス・ジャーナル」と「ジャーナル・アカデミー」

from 梅田望夫・英語で読むITトレンド 2004年08月17日

夏休みに「学者の値打ち」(鷲田小彌太著、ちくま新書) を読んだ。特に、その第7章が「ビジネス・オピニオンとアカデミズム」という内容で、たいへん勉強になった。

著者は、「もともと思考法も文体もはっきりと異なると考えられていたアカデミズムとジャーナリズムにおける文体の差がはっきりしなくなった」という現代の特徴を示した上で、その理由をこう述べる。

「アカデミズムとジャーナリズムの文体に違いがなくなって、当然である。独立自存するアカデミズムが事実上崩壊したからである。通常世界から超越したような特別な「象牙の塔」などというものは、無用の長物に化しただけではない。そこに棲息する人間を完全に自家中毒で消滅させつつあるからだ。つまりアカデミシャン固有のものといわれて、後生大事にされた文章なぞ、自称アカデミシャン(自家中毒患者)以外は、読まなくなったのだ。呪文の類になったのである。」

改めて言うほどのことかどうかはともかく、そうだろうなと思った。