続・洋書の読み方

inainabaさんが、さらに続編を書いてくれました (^^) □ id:editech:20040827#p6
from id:inainaba:20040827#p2

その後で洋書の読み方。参考書で、単語と構文チェックしろという話をします。でもって、ギデンズを英語で。ただ自分の研究に必要な英文の本や論文をを読むのが基本だと、再三強調する。

ギデンズの『Giddens Sociology 4th ed.』は邦訳がまだみたいなので英語で読まざるを得ないでしょうね。4thは3rdよりもページ数がだいぶ増えているので、いろいろ修正・加筆してるんだろうなぁ。

訓練することは、どこでも言われていて、やられている

  • 英語の流れの通り読め。眼を戻すな。→→→の方向に読め
  • 名詞を「読みほどけ」。西欧語独特の英語の論理的凝固を読みほどく。

の二つだけです

ふむふむ。

最近出たもので特に影響を受けたものとして、学生には、安西徹雄氏の『英文読解術』(ちくま新書)、『英文翻訳術』(ちくま文庫)、『英語の発想』(同)、行方昭夫氏の『英文快読術』(岩波)の三冊を薦めています。受験の為に読むならやめろ、むしろ面白い本として読んだ方がいいと言っています。

安西徹雄氏の『翻訳英文法』は良かったです。これを読んで少しは日本語らしい翻訳ができるようになりました(なお、『英文翻訳術』は『翻訳英文法』を文庫化したものです)。行方昭夫氏のものは今度見てみます。

理系では関係ないのでしょうが、文系的な文章の場合、「読みほどき」は必須で、その要にあるのは「名詞(化)表現」だと思います。(…)安西氏の『英語の発想』は、この「名詞の翻訳」を骨子として、発想の違いについて説明しております。これが非常に面白い。
In the study of the behavior of the higher animals, very funny situationns are apt to arise, but it is inevitably the observer, and not the animal, that plays the comical part.(Konrad Lorenz King Solomon's Ring, Eng.trans.M.K.Wilson)
この英文を例に、安西氏は、(1)名詞表現を動詞で読みほどく、(2)モノの主語を人の主語に変える、(3)重要なモノは前ではなく後ろへといった、日本語の発想を説明している。

えと、理系でも「読みほどき」は重要ですよ。名詞化されると、「〜のとき」なのか「〜のため」なのか前後の文脈で変わってしまって往生します(プログラミングだとその違いは重要ですし…)。たしか、安西氏は明示して述べていなかったと思うのですが、「(1)名詞表現を動詞で読みほどく、(2)モノの主語を人の主語に変える」というのは、イエスペルセンの NEXUS(意味上の主語述語関係)を翻訳術として発展させたんだろうなと思ってます(ネクサスは英文解釈のキモ、と浪人時代に行っていた中央ゼミナールの伊藤政弘先生がしつこく言ってました)。