阿部和重『シンセミア』をめぐって

from id:solar:20040915

阿部和重の『シンセミア』(ISBN:402257870X)は売れているのだろうか。(…)去年の現代文学の最大の問題作だったはずなのに、どうもいま一つ、「業界」外へのインパクトを与えることに失敗しているように思える。でも、この作品は本当に重要なのだよ。村上春樹の『アフター・ダーク』を読む前に、『シンセミア』を読んでほしい。なぜなら、村上春樹が新作でおっかなびっくり扱っている「視線」の問題を、とことん突き詰めている作家が阿部和重なのだから。
昨日、三浦展ファスト風土化する日本〜郊外化とその病理』(ISBN:4896918479)という新書を買ったのだが、この本は『シンセミア』読解のための、格好の「副読本」になると思う。

そこまで言われると読んでみたい気もする(『シンセミア』。近所のリブロとブックオフにはなかった)。『ファスト風土化する日本』は『要塞都市LA』(ISBN:4791758781)より日本向けの内容なのかなぁ。