シリーズ「認知と文化」 勁草書房

四六判 上製 カバー装 平均256頁 全十巻(予定)

 近年、認知科学脳科学に対する一般の関心は非常に高まってきています。しかし、宣伝的な煽り文句がもてはやされる一方で、本当のところを知るのは難しく、敷居が高いと感じている人が多いのではないでしょうか。
 このシリーズでは、広く認知科学の枠組みのなかで言葉や文化ということをどう考えていくことができるのか、最先端の知見を文系の人にも読める形でわかりやすく提示していきたいと考えています。
 研究の進展によって、心理学から医学、言語学、神経生化学から情報学まで、現在はさまざまな分野が手を結ぶことが必要な段階に入っています。分野や手法にこだわらず、最新の研究動向を発信します。ご期待ください。




第1・2巻『心を名づけること:心理学の社会的構成』(上・下)カート・ダンジガー著/河野哲也監訳 ISBN:4326199377 ISBN:4326199385
▼心理学のカテゴリーは、どのようにつくりだされたのか。心の科学のありようを徹底的に問い直す理論心理学の名著。
▼IQテストの「知能」とは何か?それは「理性」や「知性」とは違うのだろうか。心理学的言語の歴史をさかのぼり、その社会的・文化的な意味を明らかにする画期的な試み。心の科学のありようを徹底的に問い直す、理論心理学における古典的名著、待望の邦訳!
■原書書評:http://www.gettextbooks.com/isbn_080397762X.html
  
原書名:NAMING THE MIND : How Psychology found its Language SAGE Publications ISBN:080397762X
■目次

第1章 心を名づけること
第2章 古代の哲学者たち
第3章 大転換
第4章 生理学的背景
第5章 知能を地図に載せる
第6章 行動と学習
第7章 動機づけとパーソナリティ(動機づけへの関心;動因という概念の登場 ほか)
第8章 態度(幸先のよくない始まり;態度はいかにして「社会的」になったか ほか)
第9章 メタ言語 ─ 技術的枠組み(刺激‐反応心理学の重要性;心理学者と「変数」との出会い ほか)
第10章 “心理学的種”の本質(心理学的カテゴリーの歴史的起源;心理学的言語の政治学 ほか)


■著者紹介 ダンジガー, カート(Danziger, Kurt):1926年ドイツ生まれ。家族と南アフリカに移住、化学専攻の後、哲学・心理学を学ぶ。1952年オックスフォード大学にて博士号(実験心理学)取得。オーストラリア、インドネシア南アフリカで教鞭を取る。1965年カナダ・トロントに移住、ヨーク大学に職を得て、定年まで勤める。理論心理学・心理学史の大学院課程を設立。ヨーク大学心理学科名誉教授





第3巻『メンタルクリニック脳科学』(仮題)中込和幸・高沢悟・工藤紀子 著 5月刊行予定
脳科学研究の成果は、精神科医療にどんな影響をもたらすのか。臨床にたずさわる医師が自ら語る、研究の実際と展望。