《意味》の生まれる場所 言語理解システムの探究

大阪市立大学インターネット講座2001 「《意味》の生まれる場所:言語理解システムの探究」福島祥行 (文学研究科フランス言語文化教室)

第1講 0. はじめに──《コミュニケーション》とは

第2講 0. はじめに──《コミュニケーション》とは(続き)

第3講 1. コミュニケーション・モデル

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第4講 1. コミュニケーション・モデル(続き)

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第5講 1. コミュニケーション・モデル(続き)

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※岩本 一 (1997)『言語学の風景──音,意味,コミュニケーション』新典社

第6講 2. 「コード」の共有

第7講 3. 「伝えたいこと」と「伝わるもの」

※GRICE, Paul (1989)『論理と会話』(Studies in the Way of Words)[清塚邦彦勁草書房,1998.

第8講 3. 「伝えたいこと」と「伝わるもの」(続き)

第9講 4. コミュニケーションの哲学(I)──「言語行為論」

第10講 4. コミュニケーションの言語哲学(II)──「関連性理論」

 関連性理論の主張の一つは、第5回に示した「コード・モデル」の否定です。コード・モデルについて簡単におさらいしておきますと、これは次のようなものでした。

┏━━━━━━━━━━┓          ┏━━━━━━━━━━┓
┃    発信者   ┃          ┃    受信者   ┃
┃┌────┐ ┌──┸──┐ 経路 ┌──┸──┐ ┌────┐┃
┃│伝達内容│→│メッセージ│…………│メッセージ│→│伝達内容│┃
┃└────┘↑└──┰──┘    └──┰──┘↑└────┘┃
┗━━━━━━┿━━━┛          ┗━━━┿━━━━━━┛
       │       ┏━━━┓      │
       └───────┨コード┠──────┘
        エンコード  ┗━━━┛  デコード

「関連性理論」は現在最も精緻な理論の一つですが、その回の最後に、私は再考の余地があるのではないかと述べました。その点について、私の考えを明らかにしましょう。
キーワードは「誤解」
情報意図を誤解する
この見方が正しいか否かを見極めるためには、謂わば「神の視点」に立たねばならない。

第11講 4. コミュニケーションの言語哲学(III)──ウィトゲンシュタイン

第12講 5. 相互行為論と言語の社会学

「社会言語学」と「言語社会学」は、広義に用いられる場合、研究対象や方法論においてほとんど融合してしまうのですが、目標が「言語そのもの」か「社会の成り立ち方」かという点で、截然(せつぜん)と分かたれます。とは云え、相互に寄与し合う点は、やはり少なくありません。
 その言語社会学的視点から出発し、短期間で一大分野を形成した「エスノメソドロジー」(ethnomethodology)と呼ばれるものがあります。これは ethono (民族=人々の)と method (方法)からなることばで、エスノメソドロジー創始者であるガーフィンケルの造語ですが(31)、ごく大雑把に云ってしまうと、人々が何らかの活動を行なう際に如何に振る舞うかを分析・考察する学問と云えます。

補講 6. ふたたび《コミュニケーション》とは──「意味」はどこにあるのか