コラム「データベースと言わずに「帳簿組織」と言ってみる」

from DOA+コンソーシアムのメルマガ「DOA+ NEWS」2005.8.31号 

コラム ■ データベースと言わずに「帳簿組織」と言ってみる
有限会社ディービーコンセプト 渡辺幸三

学習簿記の一項目に「帳簿組織」というものがあります。売掛台帳や商品有高帳といった代表的な帳簿を使ってどのように会計取引を処理してゆくかという知識を学ぶためのものです。学習簿記の中でもややこしい部類と言っていいでしょう。

ふつうに帳簿組織と言った場合、会計上の取引を記録したり集計するためのオーソドックスな帳簿の構造を指します。しかし、会計と無関係な業務についても、固有な帳簿組織は必要です。ところが、仕訳が関係しない業務については、必要な帳簿の論理構造に決まった形はありません。システム化に際してそれぞれの業務毎に、経験と勘にもとづいて組み立てるほかありませんでした。

しかし、今ではデータモデリングの技術を使えます。なぜならそれが「論理的に正しい情報のまとまりを、視覚的なフィードバックを利用しながら構想する」ための技術だからです。

業務に精通しているのであれば、提示された帳簿組織が業務要件にかなっているかどうかはエンドユーザでも評価できるものです。データモデルは多くのひとが思い込んでいるような「システム屋だけが理解できる専門的な図面」ではないということです。

そもそも、RDBだのテーブルだのデータモデルなんて特殊な用語を使うやり方がまずいのかもしれません。「ではこれから、『帳簿の形』を描いてゆきますね〜」なんて言いながらデータモデリングを始めたなら、よほどエンドユーザにも馴染みやすくなると思います。とりあえず、「データベース」と言わずに「帳簿組織」と呼んでみてはどうでしょう。


※渡辺幸三さんのWEBサイトはこちら http://homepage2.nifty.com/dbc/


▼「データベース」ではなく「帳簿組織」ですか。。。違和感あるなぁ。。。