『詳解 倫理資料』

あなどれない学参副読本。B5で304ページで新書並みの価格。下手な思想史解説本より内容豊富である。

『詳解 倫理資料』羽野幸春、市川ノゾム、梶ヶ谷譲、本間恒男 編、実教出版、定価:840円(本体:800円)、B5 304ページ、2004年12月20日 ISBN:4407302186

●各節のはじめに思想の全体像が展望できるよう、学習の内容の骨子を「概観」として示しました。
●各項では象徴的な1行句でイメージを与え、内容の「要点」、学ぶ「意義」、思想家の「課題」を示して解説しました。
●全ての原典資料について、資料のポイントや焦点を、簡潔にまとめ解説しました。
●資料の「解説」は興味深いエピソードのほか、発展的な内容も取上げました。
●各社教科書で扱っている思想家を分析し、各項目のほか節末の「人物解説」で適宜まとめて掲載しました。
●「AGORA」「Clip-Board」「MYTHOS」などの特集ページでは、主題別の学習や要点整理ができ、受験対策にも役立ちます。
●新しい思想家についての解説を増やしました(ウィトゲンシュタイン、レヴィー=ストロース、フーコー ほか)

目次

第1章 青年期の課題
 青年期の自己形成
  1 人間への問い
  2 人間の尊厳
  3 青年の自己形成
  4 適応と不適応
  5 アイデンティティの確立

第2章 人間としての自覚
 第1節 人類の思想と起源
  1 神話の世界
  2 英雄伝説
 第2節 ギリシア思想と自己探求
  1 哲学以前
  2 自然哲学
  3 ソフィスト
  4 ソクラテス
  5 プラトン
  6 アリストテレス
  7 ヘレニズム思想
 第3章 キリスト教徒と自己探求
  1 旧約聖書の思想
  2 イエス=キリスト
  3 パウロ
  4 アウグスティヌス
  5 トマス=アクィナス
  6 中世の社会と思想
 第4節 佛教と自己探求
  1 バラモン教の思想
  2 仏陀
  3 大乗仏教
 第5節 中国思想と自己探求
  1 孔子
  2 墨子
  3 孟子荀子
  4 老子
  5 荘子
  6 陰陽五行思想
  7 中国仏教
  8 朱子
  9 王陽明
 第6節 ヒンドゥーイスラーム
  1 ヒンドゥー教の世界
  2 コーランの世界

第3章 日本人としての自覚
 第1節 日本の風土と思想
  1 日本の風土と自然観
  2 記紀神話の世界
 第2節 仏教の受容と思想形成
  1 聖徳太子
  2 最澄
  3 空海
  4 仏教の土着化
  5 法然
  6 親鸞
  7 道元
  8 日蓮
 第3節 中世の社会と文化
  1 転換期の思想と歴史意義
  2 日本的な美意識―幽玄―の形成
 第4節 近世の思想と文化
  1 キリスト教の伝来
  2 朱子学派
  3 陽明学派
  4 古学派
  5 町人の思想
  6 国学の思想
  7 合理的精神の形成
  8 農民の思想的自覚
 第5節 西洋思想の受容と近代化
  1 佐久間象山と幕末思想家
  2 福沢諭吉啓蒙思想
  3 中江兆民田中正造
  4 国家主義国粋主義
  5 内村鑑三キリスト教
  6 夏目漱石近代文学
  7 幸徳秋水と社会思想
  8 西田幾多郎
  9 和辻哲郎
  10 柳田国男

第4章 現代に生きる人間の倫理
 第1節 現代社会の特質
  1 科学と技術の結合
  2 産業社会と人間
 第2節 近代的人間の誕生
  1 ルネサンス
  2 宗教改革
  3 モラリスト
  4 ベーコン
  5 デカルト
  6 経験論
  7 合理論
  8 近代科学の形成
 第3節 民主社会の形成
  1 ホッブズ
  2 ロック
  3 ルソー
  4 カント
  5 ヘーゲル
 第4節 社会の変革と改良
  1 ユートピア思想
  2 社会学と進化論
  3 マルクス
  4 社会主義の展開1
  5 社会主義の展開2
 第5節 個人の社会との調和
  1 アダム=スミス
  2 ベンサム
  3 ミル
  4 デューイ
 第6節 主体性の自覚
  1 キルケゴール
  2 ニーチェ
  3 ハイデガー
  4 ヤスパース
  5 サルトル
 第7節 人間への新たな問い
  1 フロイトユング
  2 フッサール
  3 マックス=ウェーバー
  4 ヴィトゲンシュタイン
  5 レヴィストロース
  6 フーコー
  7 フランクフルト学派
  8 ハーバーマス
  9 現代のヒューマニズム
  10 自然保護の思想
  11 フェミニズムの思想
 
第5章 現代の諸課題と倫理
 現代社会の特質と倫理的課題
  1 いのちを考える1
  2 いのちを考える2
  3 地球を考える1
  4 地球を考える2
  5 家族と地域社会の課題
  6 情報化社会の課題
  7 国際化と異文化理解

索引