『丸山真男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム』

丸山真男の時代 大学・知識人・ジャーナリズム』竹内洋(たけうち よう)著、中公新書 328ページ 定価903円(本体860円)◆戦後の市民による政治参加に圧倒的な支配力を及ぼした丸山眞男。そのカリスマ的な存在感の背景には、意外なことに、戦前、東大法学部の助手時代に体験した、右翼によるヒステリックな恫喝というトラウマがあった。本書は、六〇年安保を思想的に指導したものの、六〇年後半には学生から背を背けられる栄光と挫折の遍歴をたどり、丸山がその後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響を検証する。

丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム (中公新書)

丸山眞男の時代―大学・知識人・ジャーナリズム (中公新書)


from Freezing Point(id:ueyamakzk:20051124)

丸山眞男『日本政治思想史研究』
知人のメールに引用してあって感銘を受けた一節。(そのまま転載)

なんらかの社会的変動によって支配的立場にあった社会層が自らの生活的基盤が揺るがされたとき、はじめて敏感な頭脳に危機の意識が胚胎し、ここに「政治的なもの」が思惟の前景に現れ来る。しかるに他方社会が救い難い程度にまで混乱し腐敗するや、政治的思惟は再び姿を消すに至る。それに代わって蔓延するものは逃避であり退廃であり隠蔽である。この中間の限界状況にのみ、現実を直視する真摯な政治的思惟は存立し得る。

個人レベルでも言えるのではないか。