『IT屋 技術力がもたらす、ほんとうのメディア革命』

『IT屋 技術力がもたらす、ほんとうのメディア革命』棚橋淳一 著

放送と通信の融合、コンテンツビジネスの改革、IT革命の行方──。
オンデマンドテレビ「でじゃ」の開発者が語るまったく新しいIT論。

本書は、オンデマンドテレビ「でじゃ」の開発者である棚橋淳一氏が語る、まったく新しいIT論です。IT革命の行方、放送と通信の融合、コンテンツビジネスの改革など、現在、社会問題となりつつある事象に対する答えを、「技術力」を核にして解き明かします。

棚橋淳一(デジタル・ネットワーク・アプライアンス株式会社 代表取締役)■ 早稲田大学理工学部電気工学科卒業、1983年三菱電機(株)入社、半導体マイクロプロセッサ設計に従事、1987年キヤノン(株)に移る。通信と画像処理のハードウェア開発を担当、フランス駐在中はISDN回線の国際通信標準化に従事、1996年メディア・プロセッサに出会う。1997年メディア・プロセッサ事業を立ち上げるために米国カリフォルニア州に赴任、2001年に帰国してキヤノン(株)を退職。デジタル・ネットワーク・アプライアンス(株)を創業。

目次
序 章 技術屋から見た「IT革命」

空しき「IT革命」
「技術」をもたない経営者たち
日本における「技術屋」
「本当のもの」と「ニセのもの」
金は夢を実現させる手段

第一章 放送と通信は融合しない!

放送は線路、通信は道路
現在のオンデマンドテレビの問題点
放送と通信は共存共栄するべき
「お金を払って観る」という発想
オープンなビジネスモデルが必要

第二章 「テレビでネットコンテンツを観る」という思想

オンデマンドテレビの問題点をクリアする技術
コンテンツをダウンロードして観る
著作権をいかに保護するか
コンテンツは無限に増殖する
操作はテレビに準ずる
接続環境はオープン
課金の仕組み
コンテンツホルダーのメリット
国境を越えるコンテンツ
人類の第三の革命

第三章 マイクロソフトインテルにいかに対抗するか

「箱」だけを作ることの空しさ
三菱電機半導体技術を学ぶ
初めての海外赴任
独自技術をいかに開発するか
シリコンバレーでの経験
キム教授との出会い
カリフォルニアでのプロジェクト
メディアプロセッサーの夢
売り上げが一円もない会社
金策に奔走する
「でじゃ」の普及に向けて

第四章 「IT革命」から「メディア開放」へ

コンテンツホルダーとは誰か
コンテンツホルダーという不幸な存在
パッケージソフトの問題
正当な報酬が文化を発展させる
コンテンツホルダーにより多くを還元する仕組み
誰もがコンテンツホルダーになれる
メディアの寡占状態の弊害
真実を見る目

終 章 「技術」の力で生きる

これからのITベンチャーのあるべき姿
継続可能性のあるベンチャー
技術を利権にしてはならない
あらゆる職業は「技術」である