ハヤカワSFセミナー「SFにおける人間とロボットの愛の歴史」
◎山本弘氏、「人類は異質の知性を受け入れなければならない」と語る
〜ハヤカワSFセミナー「SFにおける人間とロボットの愛の歴史」
http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/11/06/250.html
■アシモフのロボット工学3原則は無意味?
こうして山本氏は、愛される人間とロボットの愛の歴史を語ったが「愛される以前にロボットに殺されないように、仲良くしないといけない」と述べ、「アシモフのロボット工学3原則は無意味、実行不可能だ」と述べた。
たとえばまもなく死刑にされる人間、戦場に赴く兵士がいた場合、第一条にしたがってロボットは人間を守らなくてはいけなくなる。また、危険という概念は曖昧で、たとえば車に乗ったり酒を飲むことにもある程度の危険性が含まれる。そのため危険度を定量的に組み込むことはできないし、計算していたらフレーム問題に陥ってきりがなくなると述べた。
そして、いわゆる「フレーム問題」について『アイの物語』所収の「詩音が来た日」の一部を朗読した。「詩音が来た日」は老人介護用に作られたロボットの姿を描いた中編である。
「フレーム問題」を脱するためにはロボットは、いわば「適当」という概念を身に着けなければならないし、あいまいな命令であるロボット工学3原則を理解できるようなロボットは、もはやプログラムに縛られない存在だろうと語った。なおプログラムに縛られない存在というのは、人間と同等に思考できる存在という意味であるようだ。
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