近畿大学国際人文科学研究所紀要vol.3「述」1

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「述 1」(近畿大学国際人文科学研究所紀要vol.3)明石書店 2007/03 A5判 本体1900円 

述 1 (近畿大学国際人文科学研究所紀要)

述 1 (近畿大学国際人文科学研究所紀要)

日本の人文科学を最先端で牽引する近畿大学国際人文科学研究所。地球規模で生じる現
実の諸問題に対し、ジャンル横断的・国際的な研究・調査により、21世紀にふさわしい
多元的かつ総合的な新たな「知」と創造の在り方、その問題構制を提示している。本書
はその紀要にして「新たな思想書」として、研究所内外の筆者による先鋭的な論考を編
む年刊の定期刊行物。第1号の特集は今焦点化している「国家論」。

目次
国家というタブロー――マネ『マクシミリアンの処刑』をめぐって[岡崎乾二郎(口絵解説)]

プラトン『国家』を読む[岡崎乾二郎]
政治的共同体――[マックス・ヴェーバー(訳と解題)・紺野 馨]
なぜアメリカ人を殺さねばならないのか――一九九八年のアル・カーイダファトワー分析[保坂修司]
国家とアンペイド・ワーク[大越愛子]
長き革命――毛沢東社会主義[韓毓流(訳と解説)・阿部幹雄]
ヘゲモンの生誕――六〇年代初頭の知識人界と「国家論」への道[糸圭(すが)秀実]

天に唾して時を得て…… 書評:藤原正彦国家の品格』[渡部直己]
道具箱を前にして 書評:柄谷行人『世界共和国へ』[池田雄一]
刑法と言語 書評:井田良『刑法総論の理論構造』[青木純一]

文芸批評批判序説[中島一夫]
リアリズムという「信仰」――ゴダール『映画史』をめぐって[石川義正]

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執筆者紹介
バックナンバー紹介

前書きなど
 近畿大学国際人文科学研究所が発足後2号まで発行してきた紀要「国際人文科学研究」
は、今号より誌名を「述(旧字)」と改めて、デザイン等を一新し、ご覧のようなかた
ちで再出発した。これまでどおり年に一回発行の予定だが、特集を前面に打ち出し、市
販に供する。今まで以上に多くの方々に手にとっていただくためのリニューアルである。
まだまだ至らないところが多いと思うが、ご批判・ご叱責を含めて、よろしくご鞭撻の
ほどをお願いしたい。
 今号は、近年改めて論議の的となっている「国家論」を特集した。その近年の議論の
なかで論議の的となっているにもかかわらず、いまだ邦訳のなかったマックス・ウェー
バーの国家論「政治的共同体」を紺野馨氏の訳で掲載することができたのをはじめ、研
究所内外の筆者による、多面的な国家論へのアプローチを試みた次第である。
 なお、次号の特集は「生命倫理」を予定している。