『古文書の中のフィクション―16世紀フランスの恩赦嘆願の物語』

『古文書の中のフィクション―16世紀フランスの恩赦嘆願の物語』(平凡社選書 132)N. Z. デーヴィス著、成瀬駒男・宮下志朗 訳、平凡社、1990/02 B6判 313ページ ISBN:9784582841329 (4582841325) ■ 近代初期のフランスでは、過失や正当防衛によって殺人を犯した者は、国王にたいして刑罰の軽減を乞うことが認められていた。そのために作成されたのが、自分の身の上や殺人のてんまつをしたためた恩赦嘆願書 letter de r'emission である。歴史家デーヴィスは、殺人者=被告(貴族や職人や農民)、公証人、書記官、裁判官らの協同作業のうえに成立した、複数の〈声〉をふくむ嘆願書のなかに、16世紀フランスの人々がどのように物語を語ったか/語らなかったかを聴き取り、そこから、民衆がことを起こす際のモティーフや現実処理上のストステジー、想像力を発堀する。[原書名:Fiction in the Archives : Pardon Tales and Their Tellers in Sixteenth-Century France〈Davis, Natalie Zemon〉 ]

序論
第1章 物語の時間
第2章 逆上する男たちと正当防衛
第3章 血の雨と女の声
結論

古文書の中のフィクション―16世紀フランスの恩赦嘆願の物語 (平凡社選書)

古文書の中のフィクション―16世紀フランスの恩赦嘆願の物語 (平凡社選書)