『影響力の法則 現代組織を生き抜くバイブル』

元アマゾンのカリスマバイヤーの土井氏が「ナンバー1ビジネス書」とお墨付きを与えた『影響力の武器』*1あわせて読みたい一冊。まずは図書館で借りてみましたが、これなら買っても損はしないでしょう。
以下、日向野幹也の研究室の投稿より。
from http://www.mhigano.com/blog/2007/12/post_b3c8.html

原題はInfluence without authority、つまり権限がないのに影響を与えることといった意味である。リーダーシップ論や組織論でもよく言われるように、縦一本の命令系統で全ての情報を下から収集し上から命令を下すという昔の軍隊風(著者の言うように軍隊ですら今は違うようだ)の組織運営では全く間に合わないほど現代の企業環境の変化は激しい。そうした環境の中で成果を得ようとすれば、必ずしも権限に基づいていないリーダーシップや組織横断的なプロジェクトチームによる主導が常に必要になる。ここまでであれば多くの論者によって主張されていることである。むしろ本書の白眉はそうした自発的・内発的なリーダーシップ emergent leadershipを発揮するに当たって必要になる対人関係のスキルを「交換」の観点から整理し、さらにさまざまなケースについて懇切丁寧に例解したことにある。

訳者 高嶋成豪氏のブログ(http://blog.takashimas.com/)から、引用させていただきます。

「影響力の法則」ふたつの基本原理
1 レシプロシティ 何かをしたらお返しをもらえる、あるいは何かをもらったらお返しをしなければならないという、世界共通の社会通念。プレゼントをもらったらお返ししなければと思うのは、レシプロシティがあるから。影響力のある人は「この人にお返ししたい」と思っている人が何人もいる人、といえる。
2 カレンシーの交換 レシプロシティは大きな力。とはいえもらってもありがたくないものに、お返しをする気にはなれない。そこではそれなりの価値が受け渡される必要がある。この交換作用を「カレンシーの交換」「価値の交換」と呼んでいる。

影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル

影響力の法則―現代組織を生き抜くバイブル

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

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影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか

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*1:ちなみに、土井氏は初版のほうが気に入っているとのこと。