トミー・ヒルフィガー

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『パターン・レコグニション』(ウィリアム・ギブスン著)から トミー・ヒルフィガー
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なんてことなの、イギリス人は知らないのだろうか? このブランドがコピーのコピーのそのまたコピーなのを? つまり、ラルフ・ローレンの水割りだが、ローレンそのものもブルックス・ブラザースの栄光の日々の水割りだし、ブルックス・ブラザースもジャーミン・ストリートやサヴィル・ロウの製品を薄め、その既製品にポロ・ニットとレジメンタル・ストライプの薬味をふりかけた、ともいえる。しかし、トミーはまちがいなくヌル・ポイントであり、ブラックホールだ。トミー・ヒルフィガーの事象の地平がきっとどこかにあって、それ以上に根源から遠く隔たった、魂のないものは存在しえないはずだ。いちおうそんなふうに彼女は考えながらも、実はそれがこのブランドの長命な偏在性の理由ではないかと、心ひそかに疑ってもいる
【トミーヒルフィガー】 タークスストライプ 長袖シャツ