マイクロソフト日本の挑戦

from id:tak_uchi:20050131

講演要旨:
【エヴァンジェリストという仕事】
・エヴァンジェリストとはマーケット認知向上を図る(兼務。短期目標設定されない)
・96年当時、アップル社と比較し、エヴァンジェリストの人数はワールドワイドで1000倍。
しかもアップルはすべて技術者が兼務。MSは基本的にはマーケッターが専任もしくは兼務。 【ソフトウェアビジネス業界モデル】 ・ハリウッド型ビジネス:ひとつヒットすれば大きな収益構造 ・マイクロソフトの現預金は異常な額(確か3兆円):M&Aを行いやすい剣と敵対的買収から守る盾の両面の役割 【MS事業】 ・XBOXのハードビジネスで流通管理上手くいっていない。3〜5年は業績的に苦労する。 ・XBOX,MSNは後発ゆえMSの利回りを押し下げている。新しいものを出すべき。 ・しかしBRIC市場(特に南米)開拓に注力。新事業は後回し。 ・実際売上高15〜18%のR&D(80%がD)の多くはBRIC等でソフト技術者雇用・育成しスター事業とするため ・BCGマトリックスでは日本は「金のなる木」。つまり今後も投資は少ない ・ゲイツパルマーに代わる強烈な個性もったネクストリーダーがいない。 ・ハイレベルの戦略的決定については、他社との競争の観点から議論を呼ぶと考えらるものはすべてBill Gatesが直接目を通す。 ・彼等のどちらかが辞めるだけで株価は大きく下がるだろう。 ・携帯電話、カーナビ、スイカなどにMSのプラットフォームを入れたいが、日本発は意思決定権がアメリカ中心ゆえきわめて難しい。 ・ただし買収する可能性は大。 ・文化は素晴らしい。満足できる会社。離職率は同業他社よりきわめて低い(筆者注:外資ソフト会社と比較してのこと)。 内田所感: ・MSは今後3〜5年が正念場。逆に言えば、今後更なる成長をするための転換期にさしかかろうとしている
(BRIC市場開拓後に転換期が到来する) ・新規事業創出プロセスが日本ではうまく行っていない模様 ・モバイル、カーナビ、家電等、新たな事業展開に舵を切るとき、ゲイツパルマーは必ず買収をする。