『ほとんど記憶のない女』

●『ほとんど記憶のない女』リディア・デイヴィス著 岸本佐知子訳、白水社、2005年10月 1995円 

ほとんど記憶のない女

ほとんど記憶のない女

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白水社のメルマガより

◇ちょっとひねくれたあなたに贈る
『ほとんど記憶のない女』リディア・デイヴィス著 岸本佐知子訳■1995円

……「十二人の女が住む街に、十三人めの女がいた。誰も彼女の存在を認めようとしなかった。手紙は彼女に届けられず、誰も彼女のことを語らず、誰も彼女のことを訊ねず、誰も彼女にパンを売らず、……雨は彼女の上に降らず、陽は彼女のうえに射さず……」。邦訳わずか8行の超短篇「十三人めの女」で幕を開ける51の短篇のアラベスク

 悪夢のような幻想小説あり、寓話風あり、寸鉄詩風あり、また古い旅行記の模作ありと、一編ごとに変わるスタイルは、あたかも色や形や大きさもさまざまな「物語の種子」を見るようだ。訳者の岸本氏は「あとがき」でこう語る。「この本と出会ったのはまったくの偶然で、作者についても作品についても予備知識がないまま手にとった。だがものの二十ページと読まないうちにすっかり虜になり、読みおわる頃には自分を取り巻く世界が前と少し違って見えたほどだった。それほどまでにこの本のユニークさは……ここ数年来ないほどに強烈だった」。

【関連情報】リディア・デイヴィス(Lydia Davis)
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リディア・デイヴィス小川高義 訳『Sudden Fiction』文藝春秋/文春文庫(1994/01/10)

SUDDEN FICTION―超短編小説70 (文春文庫)

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岸本佐知子、初エッセイ集 本体1500円 

気になる部分

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